クリスマスに最高のプレゼントが来たのだが?
死ぬ気で
「
こんにちはの挨拶代わりに私はクリスマスを祝う言葉を口にした。
隼人さんは私の顔を見ていつものように呆れている様子だ。
「はいはいメリクリメリクリ」
「雑!」
私はいつも通りの隼人さんで安心はしたけどもうちょっとノッてくれても良いのになと思いながら、空いている席に座った。
「これ返す」
水と一緒に持ってきたのは私が寝ている彼にかけたブランケットさんである。
「洗濯はしたから…匂わないと思う。お前がいつまで経っても来ないから」
「あはは、すみません。体調崩しちゃって」
「はぁ?!お前そういうことは早く言えよ!」
「そう言われましても」
連絡先とか交換していないのにどう話せば良いのだろうか…?
隼人さんがここまで取り乱すは珍しいなぁと思いながら、この現状をどうしたものかと考えた。
「隼人さんは心配してくれてるんですか?」
「そ、そうだけど?」
「…って無いですよねそんな心配してくれるとか…え?」
冗談のつもりだった。
彼が心配するとかありえないって思っていた。
どうして?今までの彼なら「そんな事無いけど?」とか言うと予想していた。
予想外これがクリスマスの奇跡なのかと思った。
「お前は俺を何だと思って…」
「心配とか私と隼人さんの間にないものだと…思っていました」
隼人さんは目を見開いて私を見ている。
驚いて何も言えないといった様子だ。
「隼人さん?」
「…俺、そんな風に、思われてたんだ…」
落ち込んでいる。隼人さんは完全に肩を落としてしょんぼりしている。
あれ?私何か結構まずい事を言ってしまった?
「は、隼人さん!そんなことはどうでもいいので注文しても良いですか?!紅茶お願いします!」
「そんなこと…?まぁ注文は受けるけど…紅茶な」
そう言って彼はとぼとぼとカウンターに向かった。
「どうしたの?いつもなら隼人さん隼人さんって言っているのに?何かあったの?」
いつも来ている常連のおばあさんが私の席にやってきて心配そうに私に話しかけてきた。
「あ、その…いつも通りですよ?」
「困っていることはあるかい?」
「強いていうなら…時間が迫ってきていて焦っている…くらいですかね」
隼人さんを見つめながら私は呟いた。
試験の日も隼人さんに恋をすることが出来る期間もほとんどないのだ。
「たまには…息抜きしても良いんじゃないかい?」
「え?」
おばあさんが私の手を握って優しく諭すように言った。
「いつも頑張っているの見ていて心配だったの…ここ最近来ていなくて毎回毎回お店の外を見て貴方が来ていないか確認するくらいには隼人ちゃん心配だったみたいよ」
「…それは、申し訳ない事してしまった気が…」
「いつも貴方を少し雑に扱っていたのだしそう思われても仕方のない事だとは思うけどね」
そんな話をしていると気まずそうな顔をして隼人さんが紅茶を持ってきてくれた。
おばあさんは私に手を振って席に戻った。
「あのさ…俺もしかして嫌われて…「無いですそれは全く考える必要無いです」
そんなことは無い断じて神に誓ってありえない。
信用してもらえないのなら恋人たちの多いスポットに行って大声で隼人さんへの愛を叫んだって恥ずかしくない。
「嫌いだったらもうここに来てませんよ」
私が笑ってそう言うと彼は少しだけ口角を上げて笑ってくれてた。
「そうだよな!…あーあ何でこんなことで俺馬鹿みたいに喜んだるんだろ…」
ぼそりと最後に何か言っていた気がするけど聞き取れなかった。
「あの…何か言ってませんでした?」
「…!い、言ってない!何も!黙って大人しく勉強してろ!そんで疲れたら休憩しろ休むときは言えよ!お菓子くらい作ってやるから!」
顔を真っ赤にして隼人さんは叫んで戻って行ってしまった。
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