第39話 じゃがいも祭り

 わたしの住んでいるところは田舎なので、フェスティバル、なるものがよく開催されます。

 春ならストロベリーフェスティバル(イチゴ祭り)、インターナショナルフェスティバル(国際祭り)、スパニッシュフェスティバル(スペイン祭り)、ジャーマンフェスティバル(ドイツ祭り)、メイプルシロップフェスティバル(メイプルシロップ祭り)。


 秋ならポップコーンフェスティバル(ポップコーン祭り)、イタリアンフェスティバル(イタリア祭り)、スイートポテトフェスティバル(サツマイモ祭り)、グリークフェスティバル(ギリシャ祭り)。

 そして我が家が毎年心待ちにしているのがポテトフェスティバル(じゃがいも祭り)。


 となり町で行われるこのお祭りですが、200mあるかないかのメインストリートにたくさんの屋台が並びます。

 でも、なんでたくさんあるお祭りのなかでこれが一番好きなのか?

 出店がちょっと変わってるんです。


 ほかのフェスティバルでも来ているいつもの出店のほかに、ここならではのお店があります。

 

 最初はポテトサンデー。最初はアイスかな、と思ったんですが、ベイクドポテトにベーコン、チーズ、フライドオニオン、サワークリームなどをこれでもか、と、トッピングした一品。


 お次はだいたいどこのフェスティバルにも来ているのに、なぜかこのフェスティバルではとても人気がある、「手作りヌードル」のお店。バターとクリームとチーズで和えたきしめんのような手作り感たっぷりの卵麺。実演販売です。チキンを混ぜたり、ザワークラウトを混ぜたりします。


 次に見るのは、ポークチョップのサンドイッチ。子供の顔くらいの大きさで厚さが2センチくらいある柔らかいポークチョップを店頭でバーベキューにしてパンにはさみます。もちろん、野菜もチーズもなし。肉とパンだけ。


 お次は……ローデッド・ポテト。リボン状にスライスしたジャガイモを揚げて、上からチーズソース、ベーコンをたっぷりかけたものが、A4サイズぐらいのお皿に山盛りになって出てきます。一回食べました。

 何と言うんでしょうね……リボン状にスライスしたポテトに油が染みこんで、その上からかかっているチーズソースもカリカリベーコンも濃厚。もうこれはリッチ、で済まされる味じゃないです。カロリー爆弾ですね、はい。


 その先で売っているのが、市役所の人たちが作っているポテトスープ。

 これは、ここに来たほとんどの人たちが買っている一品で、私たちもこのスープのために毎年わざわざやってくるのです。

 熱々で、具だくさんで、とってもおいしい。多分バターとかクリームがたくさん使ってあるんだけど、胃もたれもしないでおいしく食べられるんです。お好みでカリカリベーコンとチェダーチーズを混ぜ込み、クラッカーと一緒に食べます。

 で、一番人気が32oz(約945ml)!


 次はレモネード。こちらもワンサイズで同じく32oz! 二十種類くらいのフレーバーを混ぜられます。息子はマンゴーレモネードを頼んでいました。


 あとは細めのフライドポテト。これは冷凍ではなくて、その場で生のポテトを切って揚げているやつです。同じく32ozのカップに山盛り。


 次にあるのはシュガーワッフル。車のホイールみたいな形です。隙間が多いんです。4センチくらいの厚みがあります。それに粉砂糖がかかった一品。素朴な味わいで、口触りが、ほこっ、としています。クッキーのようなケーキのような感じです。


 そして最後が、地元の奥さんが自分の家で作って出しているアップルダンプリング。

 アップルパイみたいな感じです。

 丸ごとリンゴをパイで包んで焼き、上からホイップクリームと甘いソースをかけています。柿だったり、チョコレートだったり、キャラメルだったり。好みでアイスを乗せたりもします。

 おいしいんです。

 おいしいんですが。

 甘いです。もう、それこそ砂糖と脂肪の過剰摂取で手が震えるくらいに。

 なので、食べません(笑)。


  あとはアップルサイダー。これ、なんでしょうね。別にしゅわしゅわしてないです。濃いめのリンゴジュース、という感じで、色も茶色いです。で、やっぱり甘いです。


 これがアメリカの田舎の秋の味覚です。


ポークチョップ焼いてる写真はこちら。

https://kakuyomu.jp/users/Tsukimorioto/news/16817330664977097099

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る