第13話 方法1

 このエッセイを読んだ方から、

「読んだんだけどさー、やっぱり難しくてわかんないよ」

 と言われてしまいました。


 そうです。読んだだけで英語は上達しません。一話を短くしているのは、そのせいです。読んで満足するのではなく、実践していただきたかったからです。英語が上達するには、実践しかないのです。


 わたしは頭のいい方ではありません。記憶力も悪いです。そういう人間はどうしたらいいのか。

 やはり、体で覚えるしかないのです。


 昔、中国語を学んでいました。先生は最初にわたしたちに自分の発音をテープで録音させ、みんなの前で披露させました。みんなに発表するのだから、うまい発音をしなければなりません。それで、みんな必死になって上手に発音しようとしました。


 おかげで、発音は今でも中国人に「もしかして中国人なの?」と言われます。(残念ながら、会話の方はほぼほぼ忘れていて、基本的なことしか話せませんが)


 そしてなによりその後の学習が、ものすごく楽になりました。というのも、単語がわかってもらえれば、言いたいことくらいはわかってもらえるし、彼らが何を話しているかが自分の知っている範囲でわかるからです。


 だからわたしは、発音が大事だ、と言い続けるのです。


 ちなみにその先生は当時、NHKの中国語会話の講師を担当していた方でした。そのせいかわかりませんが、あのやり方で教えてもらったからこそ、中国語も話すことができるようになり、英語も下手なりに使って行けるようになったのだと思っています。言語を「道具」として、使いこなせるようになったのでした。


 発音ができるようになった、その後の勉強の仕方は人それぞれです。なので、私が知っている限りの方法を色々挙げていきたいと思います。人それぞれ、続けやすいやり方は違います。好きなものをお選びになればいいと思うし、もしこれを読んで「私はこうしたよ!」という方がいらっしゃれば、それも教えてください。どんどん公表したいと思います。


1.薄い本(エッチなやつじゃないですよ、念のため)を丸暗記

 これは私がやった方法です。ものすごい薄い本を丸暗記します。子供の絵本なんかでもいいです。そして、その本を読み上げているネイティブの音声と一緒に話すのです。一緒に話せば自分の発音が違うところもわかりますし、なにより、自分が話した声を自分で聞いた時に、それが記憶となって定着するからです。

 相手が正しい発音で話している以上、自分も正しい発音で話さなければ、相手の言っていることが理解できません。

 一度記憶したら、今度はまた次の記憶をします。時々思い出して昔のものを復習することも大切です。

 その繰り返しをしているうちに、自然とそのフレーズに単語を当てはめて、センテンスが口から出るようになっていきます。

 わたしは、基礎英語かなんかの一回分を覚えて、暗唱して、というのを繰り返すのは安上がりだし、いい方法ではないかと思います。教科書がなくても、聞いて、真似して繰り返すだけでいいのですから。


2.歌を丸暗記する

 これは、娘が日本語を覚えるときに使ったやり方です。彼女は日本の歌謡曲の歌詞を全部覚えて歌っているうちに、日本語がペラペラになりました。最初は村下孝蔵の「初恋」で、あとは、AKBなど。日本語の歌の歌詞はメッセージ性が強いものが多いので、なるべく物語になっている歌を選ばせるようにしました。


 カラオケで歌うために練習していたら日本語が話せるようになった、というアメリカ人とも会ったことがあります。あとは、アニメを見ていて感動して、そのフレーズを日本語で繰り返しているうちに覚えた、という人もいました。


 最近のアメリカの歌はあまり意味がなく、聞き取りにくいものが多いですけれど、マイケルジャクソンの初期のものなどはメッセージ性があるので、これもよいと思います。適度にスラングもまじってますし。


 スラングはあまりいい言葉ではないかもしれませんが、よく使うので、自分はつかわなくても知っておいた方がいいと思います。



3.映画を見る

 英語の映画を日本語の字幕で見る、というものです。わたしは字幕に集中してしまって、全然覚えることができませんでしたが、これで覚えた、というかたもいらっしゃいます。


4.恋人を作る

 これは説明するまでもないです。わたしは中国語も英語も、これでかなり話せるようになりました。なにより、勉強に対するモチベーションが違ってきますからね!

 ただ、今は詐欺など危険なことも多いですから、その辺は気を付けてください。

 


 今回は以上です。

 歌を訳つきで紹介したいと思います。ためにはならないかもしれませんが、笑えます。


題名は NO FLEX(自慢じゃないけど)

歌手名は Tiny Meat Gang(小さいち〇ち〇のヤツら)


ラップソングなんですが、このTiny Meat Gang は二人組のコメディアンで、今大人気なのだとか。


 次から数回に分けて歌詞と訳と解説をつけますので、ぜひ聞いてみてください。


 歌詞だけ見るのと最初に歌を聞いてから聞くのとでは面白さが全然違うと思います。

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