第4話 始業式は一瞬で終わりました

過去の話も終わったことだし、今の話をしよう。


高校に入って、いじめられなくなり、心にも余裕ができた。

しかし、心の傷は治ることはないので、これ以上ひどくならないように努めている。

そんな中、最近やたらと被害妄想が強い。

周りの人の会話や笑い声などすべてが、まるで自分のことを言われているかのような錯覚に陥る。

自分のことではないと思ってもダメだ。

だから俺は、自分のことを言われていると思いながらも無視するように徹している。

無視したところで、自分のことを言われてるわけでないので攻撃は来ないからだ。


そんなことを考えているうちに学校に着いた。

そして、何気なく時間は過ぎ、始業式が終わり、家に帰った。

そして夜、ふと昨晩見た夢を思い出した。


(やけにリアルだったなあの夢・・・)


夢とは、目覚めた瞬間忘れたり、時間の経過とともに忘れたりする。

しかし、あの夢は一切の遜色なく覚えている。

心の状態が関係しているのだろうか?


ここ最近寝る際に、今までいじめられていたことを思い出し、とてつもなく人生に嫌気がさす日がたまにある。

中学生の時は毎日のように死にたいと思っていたが、高校生になってからは、あの熱烈ないじめから解放され、死にたいと思う回数は少なくなってきた。

しかし、たまに猛烈に死にたいと思ってしまうのだ。

しかし、死にたいとは思うが死ぬための行動は怖くて起こせない。

ただ、泣き、寝てその思いを薄めるしか出来ない。

泣きながら、過去のいじめを思い出し、心の傷をえぐるのである。

そしていつも思う、これは時間経過で無くならない、一生続くものだと。

いじめた人は、もうそんなこと覚えていないかもしれない。時間経過とともに忘れていくかもしれない。

しかし、なぜ俺はこんなにずっと苦しまなくてはいけないのだろうか。

そんなことを考えているとまた心の傷がうずき、いじめられていた時の恐怖心などがよみがえってきた。


だめだ、寝れる気がしない・・・。

出来るだけ、考えるのをやめ風呂に入りリフレッシュすることにした。

しかし、風呂に入りリラックスした瞬間、涙が出た。

こんなことが一生続くのだろうか。憂鬱だ。


そして、今日も就寝する。

風呂で泣いたから今はそこまで辛くない。

楽しいことを考えながら寝ることにした。

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