第3話 過去編入ります

さぁ、ここで一つ過去の話をしようか。


俺は、実はいじめられっ子だ。

ここ2~3日で始まったことじゃない。


始まりは幼稚園からだ。

最初は遊びだと思っていた。

2人組に椅子に座らされ、大きな布を頭から掛けられた。

そして2人組が俺の頭を笑いながら平手でペチペチたたき出すのだ。

最初は、新しい遊びだと思ってはしゃいでいたが、別の日に遊びの輪に入ろうと思って声を掛けたら。その2人組により、入れてもらえなかったりした。


基本的には、仲間外れ、軽い暴力だ。

とりあえず、親にはばれたくない一心で隠し通した。

なんか恥ずかしいし、ダサいと思ったからだ。

しかし、友達が全くいないってわけじゃない。それが救いだった。


小学生の時も同じような軽いいじめにあっていた。


そして中学生になる時に、このままじゃ駄目だと思いクラスの男子全員と友達になることを決めた。

運がいいことに、小学生の時の友達がクラスに数人いた。そして、今まで俺をいじめていた子はクラスにはいない。


とても有利な状態で始まった友達作り。


まず、男子と女子交互に1列ずつの席だったので、前後の男子と友達になった。

それからも、クラスの男子に話しかけ、友達を順調に増やしていった。

しかも、クラスには自分好みの女の子がいた。名前は、立花たちばな 詩織しおり

後ろ髪は肩まで届くほどの長さだった。体系は少し小柄であった。

しかし、彼女とは話すことはなかった。

なにより、女子と話すレベルまで達していなかったからだ。


1学期は順調に進んでいた。

しかし、2学期に入った際にクラスの1人が、小学生の時俺をいじめてた子から、あいつ弱いよ、と聞いたらしく、いじめ始めたのだ。

授業中、消しカスを投げたりと軽いいじめから入ったが、問題は、俺が今まで頑張って作った友達をいじめる側に引き込んで、いじめをする人が増えてきたことだ。

最終的には、モノがなくなったり、暴言を吐かれたり、授業と授業の合間の休憩時間は、教室の後ろなどで、囲まれて暴力を振るわれたりした。

最初は抵抗していたが、いじめる人が増えるにつれ諦めていき、黙ってるのが1番楽だということに気付き、耐えていた。

まぁ、殴られたところで、痛みや傷はすぐ消える。しかし、心の傷は何年たとうとも消えることはなかった。

友達を作ろうと思って頑張ったら、クラスの男子全員にいじめられるという結果になった。

友達作りの目標だけでなく、楽しくするはずの中学生活が頓挫したのだ。


とりあえず1番に考えていたことは、これもまた親にばれないことだ。それを第一に考え中学生活3年間を送った。


そして高校に入ると、俺は、友達を作ってもまた1人1人といじめに加担していくのではないかと考え、恐怖で友達は作れなかった。

クラスメイトに話しかけられても、それとなく返事し会話していた。

友達がいなくても、会話などそんなしなくても、静かに過ごせる時間が、こんなにも幸せだとは思わなかった。

俺の高校1年の1学期はこのようにして幕を閉じた・・・。

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