第27話 けしからんおっぱいの出番だ!その力、存分に見せ付けろ!

前回のあらすじっ!

 涼宮さんの太ももの心地よさにやられました!以上っ!




 俺は耳元で何かを囁かれる。


 そして、髪の毛を持ち上げられ、おデコに柔らかい感触を感じたため、目を開ける。


 すると、目の前に頬を染めた涼宮さんがいた。


「「うわっ!」」


 2人ともビックリする。


 俺はビックリした拍子に膝枕から起き上がり、涼宮さんの隣に座る。


「ど、どうした!?俺の顔に何がついてたのか!?」


「ふえっ!そ、そそそんなことないよ!?シロくんのおデコには何もしてないよ!?」


 真っ赤な顔で否定する涼宮さん。


「そ、それより……さ、さっき私が耳元で言ったこと、聞こえてた?」


「んー、何か言ってるくらいだったな」


 俺の返答を聞いた涼宮さんは…


「ど、どうしよ。もう一回言った方がいいのかな?っていやいや!無理だよ!」


 一人で騒ぎ出す。


「し、しかもだよ!私、シロくんのおデコに……」


 そこまで言って再度顔を真っ赤にする。


「ん?そういえば俺のおデコに何したんだ?なんか柔らかい感触を感じたんだが……」


「そ、それはね!えーっと……そ、そう!私の初めてをあげたんだよ!」


「なんの!?」


「え、えーっと……そ、そこは聞いちゃダメだよ!シロくんのエッチ!」


「なぜ!?」


(涼宮さんがテンパってて何言ってるかわからねぇ!)


 未だに目を回す涼宮さん。


(え、これどうすればいいの?寝てた俺が思うのは間違いだとは思うが、台本の読み合わせはしなくていいのか?)


 すると、部屋のドアが少し開いていることに気がつく。


 そして、そこから一枚のプラカードが出てくる。


(ん?なんか書いてあるな)


 そこには…


『今しかない!押し倒せ!押し倒すんだ!』


「できるかぁぁぁぁ!!!!」


 変なことが書かれてました。


「うわっ!ど、どうしたの!?」


 俺が隣で叫んだことで、涼宮さんが復活する。


「あ、いや、ドアの隙間から変なプラカードが出てきて……」


 俺の言葉を聞いて涼宮さんがドアの方を見ると、文章が変わっており…


『けしからんおっぱいの出番だ!その力、存分に見せ付けろ!』


 “ブチっ”


(あ、あれ?なんか隣から血管が切れる音が聞こえたような……)


「ごめんね、シロくん。ちょっと用事ができたから、少しだけ待っててね」


「あ、あぁ。気をつけて……」


 俺は素直に涼宮さんを見送る。


 その後、俺も気になったため、涼宮さんの後に続く。


 すると、廊下で…


「あ、あれ!?なんでウチの方に来るの!?けしからんおっぱいの力をウチに見せつけても、殺意が湧くだけだよ!?」


 訳のわからないことを言っている夏目さんを発見する。


「ねぇ、梨奈?」


「え、えーっと……香織さん?もしかして怒ってる?」


「キレてないですよ」


「なんで唐突に長州○力さん!?」


 どうやら涼宮さんの中で長州○力さんブームが来てるらしい。


「もしかして、梨奈………見てた?」


「ウ、ウチは何も見てないよ!香織がシロ様のおデコに……もごもご!」


「なに言おうとしてるのよ!?」


 咄嗟に夏目さんの口を塞ぐ涼宮さん。


「ガッツリ見てるじゃない!」


「い、いや!まさか香織がシロ様のおデコに……もごもご!」


「だからなに言おうとしてるのよ!」


(この二人、廊下でコントし始めたぞ)


 俺は二人の会話を聞きながら、そんなことを思った。




 あれから、夏目さんは涼宮さんに怒られ、現在正座中。


「ごめんね、シロくん。せっかくのデートだったのに」


「あ、いや、デートじゃなくて読み合わせ……」


「だから、今度埋め合わせしようね!」


「いや、デートじゃないから埋め合わせなくても……」


「今度デートの埋め合わせをするよ!」


「………はい」


 断れないオーラを放ってました。


(まぁ、連絡なんか来ないだろう)


「そういえば、俺が寝てしまったから読み合わせが中断してしまったな。続きをしようか?」


「ううん。今日は大丈夫だよ。もう遅い時間になったから、そろそろ帰ろっか」


「ごめんな、俺が読み合わせの時に寝てしまったから、全然読み合わせが出来なくて……」


「そんなこと気にしなくていいよ!シロくんが寝てる時間より、梨奈を怒ってた時間の方が長かったから!」


「そ、そうだな……」


 俺たちはそんな会話をしながら、部屋から出た。


「…………あれ!?ウチを置いてくの!?」





 その後、涼宮さんのマネージャーに家まで送ってもらう。


「今日はありがとう。おかげで、自分の歌に自信が持てたよ」


「いえいえ!今日は梨奈が邪魔したから、今度は二人きりでデートしようね!」


「あ、あぁ。その時は連絡してくれ」


 俺は涼宮さんと別れて、家に入る。


「ただいまー」


「あ、お兄ちゃん!おかえりー!今ね、神野さんが来てるよー!」


「え!電話でもよかったのに!」


 俺は慌ててリビングへと向かう。


「すみません、神野さん。用事があって出かけていたもので…」


「いえいえ!連絡なくコチラに伺った私が悪いです」


「あの、仕事の連絡なら電話でもよかったのですが……」


「あ、今回はコチラをお届けに来たついでだったので、日向さんが留守の場合は後ほど電話させていただく予定でした!」


 そう言って、神野さんは大きな紙袋を俺に渡す。


「あ、あのぉ……これって……」


「はい!日向さん宛のファンレターです!今回も軽く10000枚は超えてます!」


「またかよ!」


「何枚か開けてみますか?」


「いえ……時間がある時、ゆっくりと確認します」


(前回同様、訳の分からない事ばっかり書かれてそうだからな)


「では、本題に入りたいと思います!来週、シロ様に写真集の依頼が来ております!」


「今度は写真集ですか。俺の写真集なんか売れないと思うので、断っても……」


「ダメだよ!写真集だよ!?これは受けるべきだよ!」


 ものすごい迫力で桜に止められる。


「な、なぜだ?」


「え、えーっと……お、お兄ちゃんの写真集が欲しいから……」


 今度は一転、モジモジしながら答える桜。


「な、なるほど。俺の黒歴史写真集を手に入れて俺を脅す作戦か。考えたな桜」


「いや、違う……」


「あ、安心してください!今回は日向さんだけの写真集じゃないので、黒歴史にはならないと思います!」


 桜が何か言っていたが、神野さんが俺を安心させようとする。


「いや、写真集に俺が載ること自体が黒歴史なのですが……まぁ、とりあえず話だけは聞きます」


「ありがとうございます」


 そう言って一拍置く。


 そして…


「なんとですね!今回、モデルの星野ミクさんと二人でイチャイチャカップル写真集を撮っていただきます!あ、ちなみに、イチャイチャカップル写真集は業界初の試みなので、売れるか未知数です!」


「より一層嫌になったんだけど!俺、ミクさんファンから殺されるんだけど!」


(「俺のミクちゃんに近づくんじゃねぇ!」って言われながら、刺し殺される未来が見える!)


「えっ!それなら私は反対だよ!」


「桜はどっちの味方なんだ!?」


 急に俺の味方になる桜。


 俺たちが反対する中、なぜか神野さんは余裕の笑みを浮かべる。


「分かってます。私も反対されると思ってました。なので!楓先生の力を借りました!」


 その言葉を待っていたかのように、リビングに母さんが現れる。


(やべぇ!嫌な予感しかしねぇ!)


 俺はそんなことを思った。

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