第5話 終わり

 家に帰ると息子が自室で首を吊っていた。


 遺書はなかった。


 俺はてっきり息子に殺されると思っていたが、そうではなかった。


 あの本は引き出しを探しても見つからなかった。

 警察によると、机に息子の日記があって、そこに父親が狂ってる、父親をどうにかしたいけど、どうすることもできないと書かれていたそうだ。

 俺はただ人として正しい道を息子に教えたかっただけだ。


 きっと麻衣ちゃんに悪戯した性犯罪者は息子なんだろうと思う。

 人を自殺に追い込んだ野郎は同じ道をたどるのだ。

 それが神が下した判決だ。


***


 その後わかったのは、麻衣ちゃんは幼稚園の頃に誘拐されて性犯罪の被害に遭ったということだ。そして、息子とは書道部を通じて少し交流があっただけということだった。去年、麻衣ちゃんが亡くなる前に、犬が赤ちゃんを産んで、それを家に見に行ったそうだ。


 以上、麻衣ちゃんの両親が息子の葬式に来てくれてわかったことだ。


 


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息子の部屋 連喜 @toushikibu

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