第7話限界①

あれから僕は自分は「ヒーロー」だと言い聞かせて、いつも通りの日常を、送っていた。


ヘラヘラと笑顔を取り繕い、対応をする日常に。


教室がザワザワとする中、僕は怯えながら、過ごしていた。


なぜなら、さっきからずっと、雑音と一緒に悪口が混ざって聞こえるからだ。


主語は伏せているため、誰のことを言っているかまでは分からない。


「……気持ち悪いよね、ほら、動いた。」とくすくすと笑いながら悪口が聞こえる。


「……っ」


僕じゃない……僕じゃないと言い聞かせる。


「え!てゆーか、鬱病になったんでしょ〜!」と、いきなりデカい声が響いた。


ビクッとして恐る恐る声の方を見る。


「え!じゃあなんで学校来れるの?普通来ないでしょ」


僕の事を笑うかのように、ニヤニヤこっちを見ながら話す。


次の瞬間、彼女らはとんでもない事を口にする。


「なんでみんなと同じ事出来ないんだろうね」と、不思議そうな声とは裏腹に、ニヤニヤしていた。


「分かった!!!ADHDだ!!!!」



その瞬間、僕は血の気が引くのが分かった。



やばい……バレた……どうしよう


冷や汗が止まらない。


ちらりと彼女らを見ると、彼女らは顔を背けた。


それを見た瞬間、僕の中で何かが壊れる音がした。



限界を迎えたのだ。


いや…正確に言うと、限界はとっくに来ていて、それが爆発しただけだった。



倒れることはしなかったものの、周りから心配されてしまった。


「大丈夫だよ」


ニコッと笑顔を作る。


その笑顔が崩れてるんじゃないかと思うと怖かったが、無理やり笑った。


笑って誤魔化して、なんとかなった。

だが、彼女らのこの発言は許せない。と思い、先生に報告する事を決めたのだった。

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