第3話 隣の席の女の子

朝起きて、ご飯を食べて、身支度をし、学校に行く。そんないつも通りの日常が、続いていた。


逢「おはよう」と、唯一僕に話しかけてくれる女の子に、挨拶をした。


???「おはよう」と返事をしてくれた。


彼女は、瑠依るいだ。僕と席が隣で、席が、隣になって以降というもの、彼女から、話しかけてくるようになったのだ。


瑠依「ねぇ、昨日もしたの?その……自傷行為」と聞いてきた。


朝から、聞く質問では無いことは明らかだろうに、と思いつつ、答えた。


逢「……昨日は、してないよ。」と笑顔で答える。


瑠依「良かったぁ!」と、ほっとしている様だった。


もちろん、してないというのは、嘘だ。彼女に本当の事を言ったら、心配させてしまう。


得意の笑顔の仮面で、今日も学校を過ごす。



昼休みになり、各自がお弁当を持って、食べる所に向かう中、僕は、1人ぽつり教室に残された。


逢「……やっと静かになった。」誰も居なくなったのを確認し、自分の机で、おにぎりを食べる。


「ねぇ、何食べてるの?」と、後ろから声が聞こえた。


僕は、驚いて、おにぎりを落としそうになった。振り返ると、そこには、瑠依が居た。


逢「……瑠依。なんで居るの?というか、友達は?」と、僕が聞くと、彼女は、泣き出してしまった。


僕は変な事でも、聞いたのだろうか?と思いつつ、彼女を落ち着かせる。


瑠依「……ぐすっ、ごめんね。実は、ハブられてたみたいで、こっちに戻ってきたんだ。」と、聞いてもないのに、話す。


逢「……そうか、女子は面倒だな。」とだけ、返すと、彼女は、怒り出した。


逢「分かったよ、もう…いい。君とは関わらない」と、言って教室を出た。


あぁ…またやってしまった。関わりを消す癖は…変わらないんだなぁ。

後悔しても、もう遅いと分かっていながら、いつまでも教室を見つめていた。

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