第2話 普通とはなにか
僕は、いつからか気が付いていた。
「普通」ではないことに。
小学校、中学校、高校と上がるにつれて、周りと「何かが違う」その事だけが、引っかかっているままだった。
小学校の低学年は、まだ良かった。皆出来ない事が多かったから、溶け込めた。
だた、小学校の中学年となると、少しずつ違和感を抱き始めた。
何故、簡単な計算が解けない。何故時計が分からない。何故逆算が出来ない。何故簡単な算数が暗算出来ない。何故皆がやっている行動が出来ない。
周りからは、異様な物でも見るような目で、見られるようになった。
自分だけ、なんで皆と同じ様に出来ないのだろう。と、悩んでいた。
そして、いつしか虐められるようになっていった。
中学校でも、高校でも、それは変わる事が無く続いていた。
クラスに、「普通じゃないもの」が居るから排除するかのように。
そして、学年が上がる事に、「出来ないもの」が増えていった。それと同時に、違和感も膨らんでいった。
学校には、行きたくなかった。けれど、親は、認めてくれることは無かった。
だから、とうとう、壊れたんだ。
体は思うように動かなくなって、泣きながら学校を通うようになり、自傷行為をするようになり、自殺行為を何度もするようになった。
だた、死ぬ事は出来なかった。死ぬ勇気なんて無かった。
死のうとすると、「楽になれる」という感情よりも「怖い」という感情が、真っ先に来てしまい、死ぬに、死ねなかった。
死ねない変わりに、普通ではない違和感と、死にたい気持ちだけが、増えていった。
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