死にたい気持ちを隠して

辻本 寧緒

第1話 どうして?

なんで人間っていう生き物は、自分の欲を満たそうとするんだろうね。ポツリの呟いた、あいの声は誰にも届く事は決してなかった。




キーンコーンカーンコーンと学校のチャイムがなる。

僕は死んだように生きようと思い、それを誰にもバレないように学校生活を送っていた。



だから仲の良い友人なんてものは、居ない。

ただ僕は、「笑顔」という名の仮面を被って人間に、接しているだけ。



本当の自分なんてものは学校ここでは覆い隠して、出てこない様に押し殺す。



だから「普通」に見せる。


「普通」に見せれば、変な噂なんて回ることは無いし、ましてや、学生だから「噂」が好きだろうから、色々と変な方に行き噂は広まるだろう。


???「逢〜!」と呼ばれた声がした。

僕はいつも通り、笑顔という名の仮面を被り

なに〜?と答える。

???「逢!お願いがあるんだけど…」と、お願いをされる事は多かった。

僕は、そのお願いに良いよと答える。

お願いを断るのが面倒くさいので基本断る事は無かった。


悩みがある聞いてほしい。との事だった。

聞いてみると、色々な苦労があるんだという気持ちと、なんだその程度。と思ってしまう。くだらない。


人生に絶望してる僕なんかより、よっぽどマシじゃないか。自殺行為しても死ねない人だっているのに、その程度なら問題無いだろう。


僕より、マシじゃないか。

鬱病、発達障がい、虐待、虐め、この4つが重なる僕よりマシだろう。拠り所があるだけマシ。そんなものは僕には無いんだから。


願いが叶うのならば、普通の人でありたかった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る