北海道を夢と希望の大地に

 地元というのは大事だ。人によっては愛着どころか辛い思いでしか持っていないという声もあるだろうが、帰れる場所、帰りを待ってくれる人がいるのは幸せだし贅沢なことでもある。

 北海道で生まれ育った。毎年冬になれば雪が積もって外は歩きづらいし寒いし雪かきしないといけないしウンザリしている。幼い頃なら初雪を見て冬が来たぞーとアホ面ではしゃいでいたこともあったが、今は無いな。

 冬になって東京で数センチ雪が積もったぐらいで大騒ぎしているニュースを観たりすると悪いが鼻で笑ってしまう。これは北海道や東北の人間にはわかるはずだ。俺らは膝が埋まるぐらいの深い雪の中を歩いて通勤や通学をしているのだぞ?これだから東京モンは!である。

 大人になって冬や雪には良い思い出は無いのだがそれでも生まれ育った大地。冬になってあまり雪が降らないでいると妙に落ち着かない。12月の半ばになっても雪が積もってない年があったが、「いよいよ温暖化もここまで来たのか?」と冗談7割本気3割で思いもした。寒い冷たいとブースカギャースカ文句を言いつつ、雪で道が白くなっていない外を歩くと不安を覚えて、雪が降って積もるのを見れば「ああ、やっと冬になった」と安心してしまう。反抗期だけど両親のことは好きな子供みたいである。

 作家としてのチャンスを得られたのならば、最初は地元である北海道から知名度を広げていく。フィクション、ノンフィクション関わらず北海道民の心を刺激して踊りだしてしまいそうな作品を書いてくことが必要になる。

 北海道の冬。温泉旅行に来て露天風呂に入るなら頭を洗う前に入った方が良い。洗って濡れた髪が凍り付いてしまいそうなほど寒い時がある。そもそも真冬の北海道で露天風呂に入る自体寒いのだが、これはこれでなかなか気持ち良いのだ。雪が降っていればちょっと幻想的な風景にもなる。冬の寒さと温泉の温かさが肌に染み込み、日常と違う世界にいると思う。

 よくある観光名所やグルメばかりではない。生まれてずっと暮らしてきたからこそわかる北海道らしさ。そこを書いていければきっと道民のファンを増やすことができ、大きな力となる。

 俺が夢見る物語は夢物語と笑われるノートの落書きと見られるだろうが、その物語が現実になった時にはまずは生まれ故郷である北海道に報いたい。

 作家としてだけでなく大いに顔を出して北海道を伝えたい。そうしていくうちに北海道の経済も豊かになるだろうし北海道の酪農を大いに助けることに繋がる。過疎化で寂れていく町や村にも歓声を響かせられる。

 北海道が豊かになることで結果的に日本の援助にもなることだろう。そうなれば俺のストーリーは大団円。北海道は夢と希望の大地となる。

 無茶苦茶なことを書いていると思っているだろうが、そもそも俺という人間が作家として活躍できるチャンスが薄いのだ。逆に言えば、チャンスを掴んだのならば俺はそれに全てを懸けて報いる。

 北海道育ちの何も持っていない男が北海道から日本を動かす。こんな時代にこんなストーリーが起きれば面白いのではないか?

 

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