「わがっだ!」

結構ご指摘いただいたので、ここで説明の場を。

フレンチブルドックは鳴かない。と言われました。

分かってはいるのですが、鳴かないと表現方法がないので仕方なくという判断です。


あくまで書籍化なんて出来るわけもないので、このあたりはファンタジーってことで各々ご理解ください。



~~~~~~~~~~~~~~



15時、啓介と滝沢も合流し、愚痴会及び合コンもどきが始まった。

とはいっても、女性陣は既に飲み始めていたし、なんなら出来上がっている人もいる。


「朝陽、これって合コンか?」


「そうじゃね~?」


「いいや、滝沢さん。これは合コンじゃねぇよ……」


お酒の入ったグラスを片手に女性陣のいるほうへ視線を向ける。

ゲージの前でノアと戯れている後ろ姿。

その中には当然穂乃果も混ざっており、変なことをしないように見張っている。


「それで、いつ犬なんて買ったんだ?」


と、昔ながらの付き合いで既に一度家に来たことのある啓介が疑問を投げてきた。

俺の腕の中で眠っているフランの頭を撫でながら、さも同然かのように答える。


「今日」


「「今日?!」」


「おう。午前中に近くのペットショップ行って穂乃果が気に入ったから買ってきた」


「「行動力……!」」


まぁたしかに急すぎるとは思うけどな。

思い立ったが吉日とはよく言ったものよ。


おかげで愚痴会及び合コンもどきがペット触れ合い癒され会になってしまった。


「穂乃果ー。そろそろゲージの中で休ませてやれー。家来て初日にこんなに囲まれちゃストレスだろ?」


「あ、それもそうだよね!みんな、ごめんね!」


「「「えええーーー!」」」


「えー!じゃありません!子供じゃないんだから遠くから眺める程度に収めてよね!」


「「「しかたないなー」」」


「「あはは……」」


渋々と食べ物の準備されているテーブルへ戻ってくる女性陣。

まだ癒し足りないと言わんばかりの不満具合である。


寝ているフランをゲージに戻すと、ノアとフランが寝床で丸まり、眠りにつく。

ノアは遊んでもらっていて疲れていたのだろうが、フランは寝すぎだ。


「あ、一応自己紹介しとくー?」


「そうだな。じゃあ男性陣からやっとくか、啓介からな~」


穂乃果の提案で自己紹介をすることになった。

一発目は雑に押し付けてもなんとかしてくれる啓介からで大丈夫だろう。


「まじか。まぁ、一応成人式の日に顔合わせたことあるから久しぶりということになるのかな?高橋啓介だ!普通の大学生っす!」


「高橋くんね」


「どこ大~?」


「一応〇〇大学」


「あ、普通~って感じだね~」


「あはは……」


穂乃果は啓介をしっている分、なんとも言えなさそうにしている。

まぁ文系で啓介の行ける範囲って言ったらその大学でも頑張った方だと思うけどな。

俺はすごいとおもうぜ。


「じゃあ、滝沢」


「朝陽の同僚の滝沢っす。えーっと、彼女募集中っす!」


「「「「「………(当たり前の沈黙)」」」」」


「あー、こいつバカだから無視してやってくれ。話せばおもろいやつだから……」


「え、俺なんか言っちゃった?!」


「お前黙ってろよ……」


こいつ、まじで場の空気読めなさすぎだろ……。

事前にあくまで愚痴の言い合いと伝えているのに、合コン気分できているせいで女性陣からの冷たい視線が俺にも飛び火してるじゃんかよ……。


「まぁ、このバカはほっとくとして……。一応俺も自己紹介しとくか」


まぁみんな知ってることをただ言うだけなんだけどね。


「日向朝陽、穂乃果の彼氏?です。今日はなんかシラケちゃったけど楽しんでいってね?」


「なんで彼氏に疑問形なの?」


「いや、旦那っていうにはまだ早いかなって……」


「朝陽君……///」


両手を頬に当て、今にも体がクネクネしそうだ。

今は向かい合っているから密着してないが、隣り合っていたら抱き着かれていたかもしれないな。


「「「………」」」


「始まったよ……」


「人の前でイチャイチャイチャイチャ……。爆発すればいいのに……」


そして、当然とばかりに闇のオーラを纏う人物の呪言が聞こえてくる。


「ごほん、じゃあ次はうちらだね。うちは杏奈あんな。一応〇〇商社の受付嬢やらせてもらってます」


「大手じゃんっ!」


「穂乃果には劣るけど、顔とスタイルには自信あったから就職できただけだよ」


「それでも、すげーよ!」


こういうときの啓介はシンプルにすごいと思う。

嘘をあまり言わないし、元々が明るい性格だから、素直な物言いができる。


お世辞だったとしても、相手からしたら嬉しいだろうな。


「じゃあ次は私だね~!私は初音はつねだよ!よく歌うまそ~って言われるけど歌うのは苦手です!聞いて盛り上げるのは上手だからみんなの歌声聞いてあげるよ!それで、私は夜職のほうだから、あんまり詮索しないでね☆」


「夜職?!」


反応したのは滝沢だった。

まぁ、いろんなとこに行ってるもんな。

もしかしたら知ってるかもしれないし、気になって当然だがちょっと食いつき過ぎだわ。


「そう!詮索はメっ!だぞ?」


「わがっだ!」


「「きもっ……」」


「ぐっ……」


いやまったくもってキモすぎるわ……。

たぶん、初音はこういうキモイ客に慣れてるから無反応でいられるんだろうな……。


「私は理央りお。一応彼氏ありです。仕事はしてません……」


闇のオーラ全開である。

彼氏との間になにかあるのだろうか……。

聞くに聞けないでいると、理央が語りだした。


「私の彼氏いわゆるDV彼氏なんだけどね……。私のことを道具だとしか思ってないようで……ブツブツブツ……」


「理央ストップ!その話はあとで聞くから!」


「そうだよ、りおち!今はあの男はいないんだし楽しもうよ!」


一度愚痴りだしたら止まらない暴走列車のようである。

杏奈と初音が一生懸命抑えようとしている横で穂乃果が疑問そうにしていた。


「DV彼氏?朝陽君、DVってなに?」


「穂乃果は幸せ者だね……」


「あああ!ほのがりおちの地雷の上を無意識でタップダンスしてるよぉぉ!」


「爆発しろ……爆発しろ……」


「???」


「「「よく友達できてるな……」」」


さすがの男性陣も口をそろえて同じことを呟いた。

穂乃果はまだ何もわかってなさげだが、最後が自分の番だと気づき、声を大にして自己紹介を始めた。


「はい!私は氷野穂乃果、改め日向穂乃果です!朝陽君の下で専業主婦してます!妊娠4か月目です!」


「「「妊娠?!」」」


「あれ?知らなかった?」


「「「初耳!」」」


次は杏奈、初音、啓介の3人が反応した。

そのまた端っこでより一層闇が深くなった理央の呪言が部屋に響き渡る。





~~~~~~~~~~~~~~




一応女性3人の名前は初だしです。

正直覚えなくても大丈夫です。


1人キャラ濃いから忘れないと思うけど……(笑)


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