「懐いてますね?」
土曜は仕事が入って更新できませんでした!
日曜は寝ちゃってました……。
~~~~~~~~~~~~~~
翌日の穂乃果は起きてからバタバタしていた。
化粧を行い、着る服を選び着替える。
部屋の掃除は常日頃から行っているものの、今日はいつもより丁寧に行う。
手の届かない範囲は俺が手伝っていた。
朝5時に起きた穂乃果。
現在時刻は10時くらい。
ちょうど、掃除を終え、買い物へ出掛けようと準備していた。
「メモ紙どこだ~」
「忘れ物ないようにな」
「うん!あ、あった!あとは……、バックよし、財布よし!よし、行こう!」
「指さし確認出来て偉い」
玄関で靴を履き、鍵をかけていざショッピング。
穂乃果にとって今日1の楽しみごとであるペットショップにご来店。
友達と遊ぶことより、楽しみなのは女性ゆえだろうか?
あくまで今日は愚痴を聞く会みたいなものなので、話せば自慢にしかならない穂乃果にとっては苦痛な時間なのかもしれないが……。
「わぁぁぁ!!」
新生活応援キャンペーンというわけで、なぜかペット販売を行っている。
一人暮らしで、寂しい思いをしている人向けなのだろうが、まだ4月である。
寂しいよりも大変を身に染みているころであろうに、割と若そうな独身男性っぽい客が多い。
ほとんどが子猫エリアに集まっており、子犬側は店員を除けば、一家族のみである。
「朝陽君、私寝る前決めました!」
「なにを?」
「フレンチブルドックを購入しようと!」
「ほほぉ?」
たしか、顔の皺が多くて世間一般的にはブサかわってやつだよな。
まぁ気持ちはわかるが、なぜ子猫推しだった穂乃果がブルドック系になったんだ?
「昨日、寝る前に動物の動画みてたじゃん?」
「あーなんか見てるなーって思ったらそれ見てたん?」
昨晩は久々に穂乃果となにもない日を過ごしており、俺はベッドの中で小説を読んでいたわけだが、穂乃果は無音でなにかに集中していた。
べつに興味もなかったから覗かなかったが、動画を無音でみてたのかよ……。
ちなみに、フレンチブルドックがいるであろうエリアまで歩いている。
「猫を飼いたいとおもってたんだけど、犬のおもしろかわいい映像見てたらフレンチブルドックに一目惚れしちゃってさ!」
「まぁそんなに大きくならないし、よっぽど太らせなければ病気にもなりにくいっぽいしいいんじゃない?」
途中にあった犬種別のパンフレットで書いてあることを読み上げた。
「だから、朝陽君の異論がなければフレンチブルドッグにしたいと思います!異論は認めませんけど、聞いてあげますっ!」
「聞くだけかよ……。異論はないよ。穂乃果がフレブルがいいというなら決めちゃいな」
「やったー!よし、いい仔選ぶよ!」
というわけでやってきましたフレンチブルドックコーナー。
黒から白まで定番色のフレンチブルドック、以下フレブルの子犬が勢ぞろいである。
パっとみ20匹ほど。
値段でいえば30後半くらい。
「わぁ!黒も白もかわいい!!」
「うむ、さすがの俺もこの仔たちはかわいいとおもうわ」
顔の皺が深いのが渋くていいよね。
店員さんにお願いして、穂乃果はすでに抱っこしていた。
「お値段って決めてますか?」
と店員さん。
穂乃果は俺と目を一瞬だけ合わせて、俺は頷くだけにした。
「特に決めてはないです。この仔!って思った仔を迎えようかなって思ってたので……」
「それでしたら、2匹ほど紹介したい仔がいるんですけど……」
俺と穂乃果は頭にはてなを浮かべつつ、店員さんに案内されてお店側のおすすめコーナーへ。
そして、案内された1角に目的の仔たちがいた。
「今日のために入荷されたんですけど、希少価値が高い毛色の兄弟なんですよ」
最後ぽろっとお値段は張りますが……と言っていたのを俺は聞き逃さなかった。
店員さんは俺から離れ、穂乃果の接客をしている。
俺は後ろから値札を見た。
1匹70万。
「げっ……!」
さすがに声が漏れてしまった。
「ブルータンとブラックタンっていう毛色なんですけど、1%の確率くらいでしか生まれてこない珍しい子たちの兄弟なんですよ!」
ちなみに2匹同時購入で120万らしい。
いや、高いけどね?
穂乃果がこの仔がいい!っていうなら飼うしかないよね?
高いけど、貯金とか考えれば買えなくはない。
「この仔たち可愛いよ!」
穂乃果が黒い毛の仔を抱っこしていたので、俺には店員さんが抱っこしていたブルーっぽい毛の仔を寄こされた。
値段みたあとだと子犬はかわいいけど、値段はかわいくない……。
口に出しては言わないけどね……。
「この仔たちって兄弟なんですよね?」
「はい、どちらもオスですので去勢しなければ病気にもなりづらいですし、あまり大きくならず、甘えん坊な犬種なので言うことも聞いてくれますし、面倒見やすいですよ~」
これまたちなみに穂乃果は値札を見ない。
というか、見ないようにお願いした。
値段を見て高いからって遠慮されちゃたまったもんじゃない。
穂乃果の気に入った仔を買いたいからこの仔だ!って決まったら値段を見ろっていってある。
「朝陽君的に1匹と2匹どっちがいい?」
「うーん。どっちもかわいいからどっちって決めづらいな~」
俺が値段を見てびっくりしているのを知っている店員は値段のことは一切言ってこない。
こいつ、わかってるな?
「欲を言えば2匹どっちもかってあげたいんだけど……」
そして、チラっと値札を見た。
この仔がいいらしい。
俺は抱っこしている今にも寝そうなフレブルを撫でる。
一瞬目を開き、視線が合ったがすぐに眠りについた。
「懐いてますね?」
「そう見えます?」
追い打ちをかけるように店員さんが俺に声を掛けてきた。
俺は自意識過剰だとはおもいたくないが、なつかれているように思う。
そう思うってことはすでに愛着があるともとれるわけで……。
「穂乃果、2匹にしちゃうか」
「えっ?!でも……」
「約束しただろ?」
「えっと、そうだけど……」
さすがの穂乃果も値段を見て驚いてる。
そりゃそうだ。
さっきフレブル4兄弟で100万だったからな。
「俺がこの仔がいいんだよ。穂乃果も今抱っこしている仔が気に入ったんだろ?」
穂乃果に抱っこされてる黒い毛色の仔はずっとテンションが高い。
ずっと穂乃果の顔を舐めたそうに甘えていた。
「朝陽君がいいって言うならこの仔たちがいい!」
「よし、じゃあそうするか、店員さんお願いできます?」
「わかりました!今から書類をご記入していたたき、支払い方法の相談等もしたいので、あちらの席でおまちください」
契約コーナーに案内された。
一旦、購入予定の2匹は店員さんに預けた。
「では、ご購入ということでこちらの書類に目を通してもらって……」
あとは穂乃果が面倒の見方などを別の店員から聞いて、その間に俺は契約を進める。
なんだかんだ、お店に1時間くらい居た気がするが、あっという間であった。
「このたびはご購入ありがとうございました!よき新生活を送れるよう店員一同応援させていただきます!」
2匹を預かって店を出た。
必要品なども含め結構な額が飛んだが、良しとしよう。
思いのほか用事が早く終わったので家でこのあとの予定をきめることにした。
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