第二章・幕間~日常と新築と成人式~

「一緒に帰ろうと思ってな」

氷野穂乃果です!

今日は私の日常がどのような感じなのかお伝えしていきますね!


朝陽くんとお付き合いしてからは一緒のベッドで寝ることが多いですが、起きるといっつも朝陽君が居ません!

お仕事休みの日でも普通に起きているので、目を覚ました時に朝陽君の寝顔を見ることがありません!


帰りも遅くなることが多いので、基本的に家には一人のことが多いです。


「ん~……」


朝起きて背伸びをしました。

凝り固まった体をほぐしながら、眠気を飛ばすためです!


一応、隣で寝ていたであろう朝陽君を確認しますが、やっぱり居ません……。


ベッドから降りて、顔を洗いに洗面所へ。

その後、朝食に食パンを食べて、今日の予定を確認します。


大学は退学届けを提出したばっかりですが、3月までは一応在学です。

通わないんですけどね!


大学の友達には説明していますし、今は冬休みの期間です。

今日はその大学の友達と遊ぶ約束をしています。

集合は駅前、時刻は10時です。

今は8時なので、化粧などをすれば丁度いいくらいですね。


「何着てこうかな~」


クローゼットを開き、物色していきます。

冬服はかなり可愛いものが多いです。


パッと目に入ったオレンジレッドのニットセーターを今日はメインにコーデしてみましょう!

といっても、中に温かいシャツを着て、黒い無地のニットデニムパンツを合わせるだけなんですけどね?


服装さえ決まってしまえば、それに合わせた化粧を施すだけです。

まぁナチュラルなメイクにするんですけどね?


「よし、準備おっけ!」


1時間半ほど掛けて準備を終わらし、ショルダーバッグにお財布とスマホ、その他小物を入れて、家を出ます。

寒いのでコートを当然着ます。

高かったコートなので丁寧に着ないといけません……。


徒歩で15分くらい歩き、電車に乗って2駅移動します。

電車に乗ってる間は朝陽くんの位置情報を調べます。

結構遠いところにいるのがわかりました。


「朝陽君がんばれ~」


小さな声でお仕事しているであろう朝陽君にエールを送っておきます。

そのあとは待ち合わせしている友達と連絡を取り合って、具体的な集合場所を決めました。


電車から降りて、駅を出ます。

少し歩いたところにある公園に向かっていきました。


既に遊ぶ予定の2人が到着しており、手を振って声を掛けます。


「おーい、歌恋かれんちゃん!奈々ななちゃん!お待たせー!」


「おー、穂乃果!おひさ~」


「やっほ~、今日もかわいいのぉ!」


「もぉ!二人もおしゃれだね!」


歌恋は編み込みカーディガンに黒タイツとショートパンツ、底上げブーツ。

コートを羽織っている。

奈々はリブニットとポンチョ、ミニスカとロングブーツである。


「そういう穂乃果だって、おしゃれじゃん!」


「というか、そのコートブランド物じゃないの?」


「見て分かるの?」


「そりゃ見て分かるわよ!彼氏に買ってもらったの?」


「クリスマスだものね~」


歌恋ちゃんはかなりファッションに詳しい。

それに対し、奈々ちゃんは結構疎い。

着れれば何でもいい感じっぽい。


「そう買ってもらったの!まぁ、どっちも予想してない買い物だったけど……」


「「いいなぁ~」」


「でしょ~?」


コートを広げて、見せびらかす。


「ここで彼氏持ちは穂乃果だけだもんね~」


「ね~。それで、進展したの?」


「その話はご飯食べながらにしない?」


「それもそうね、じゃあお買い物いこー!」


「「おおー!」」


私たちはショッピングセンターに向かって歩いて行った。



◇◆◇◆◇◆◇



特にほしいものもなく、歌恋ちゃんの買い物に付き合っている感覚だ。

奈々ちゃんは服ではなく、途中寄った楽器店が気になるっぽい。


「ん~、買った買った!」


「たくさん買ったね……」


「買いすぎなのよ……」


「このためにバイトしてるんだから当然でしょ!彼氏が出来たときに服が無かったら困るでしょ!」


「まぁ、毎回似たようなファッションだと確かに嫌だけどね」


私はほとんど同棲してるからあんまり服装云々は気にしたことないんだけどね。

でも、下着だけはしっかり選んでるよ?


「さすが穂乃果!彼氏持ちは言うことが違うね!」


「穂乃果って同棲してるから服装って気にしてる暇なくない?」


「あ、バレた?基本部屋着だからもう気にしてないよ~」


「これだから彼氏持ちの余裕マウントはウザいのよおおお!!」


今にも地団駄を踏みそうな歌恋ちゃんを奈々ちゃんが抑える。

私は苦笑を浮かべる。


「それで、なに食べる?」


「甘いの!」


「ええ~。お昼くらいは普通の食べようよ~」


「じゃあパスタ!」


「パスタね、えーっと、一階においしそうなお店あるよ?」


奈々ちゃんが素早く検索し、丁度1階にあるみたいだ。

エスカレーターで移動し、1階のお店でパスタを注文する。


「で、穂乃果はどこまで進展したの?」


「一昨日に私の両親への挨拶終わったばっかりだよ」


「え?まだ付き合って3か月そこらだよね?」


「そうだね。結構進展早すぎて朝陽くんがびっくりしてる」


「穂乃果の彼氏、この前見たことあるけどめっちゃイケメンだった!」


「面食いの歌恋が言うならイケメンなんだろうね……」


結構前に夕飯の買い物ついでに家具を見に行った時に偶々歌恋ちゃんと遭遇したことがあった。

私のことを認識した歌恋ちゃんが朝陽君に詰め寄ったときはびっくりしたが、朝陽君は何事もないように受け答えしていた。


上司に無理難題を押し付けられた時より全然余裕って言ってたけど……。


「んで、その彼氏が挨拶にってことは結婚前提ってことでしょ?」


「そうだね。今度ウェディングドレスの写真撮りに行くんだ!」


「いいなぁ!私も着たい!憧れるぅ!」


「歌恋は先に彼氏を見つけな」


「わかってるわよ!」


パスタが届いたので、一旦話を中断。

食べている間はほぼ無言である。


歌恋ちゃんはSNS用の写真を撮るのを忘れない。


「「「ごちそうさまでした」」」


食べるのに約20分。

みんなが食べ終わって、少し休憩する。


「穂乃果、今日バイトだっけ?」


「うん、16時から」


「じゃあもうちょっとしたら解散する?」


「えー!もっと穂乃果の話聞きたい!」


「わがまま言うな。バイトなんだから仕方ないでしょ」


「わかってるわよ!それで、彼氏とはどこまで……」


結局14時半まで歌恋ちゃんと奈々ちゃんの質問に答えることになった。



◇◆◇◆◇◆◇



「いらっしゃいませ!何名様ですか?……奥のお席空いてるのでお座りいただいてお待ちください!メニューをお持ちします!」


「穂乃果ちゃん、からあげ定食と南蛮定食ね!」


「はい!お待ちしました!からあげ定食のお客様?……伝票はここに置いておきますね!ごゆっくりしていってくださいね!」


「あ、すみませーん!」


「あ、今向かいます!」


19時、バイトで忙しく動き回っていた。

今日はお客さんが多い。


「あ、お会計ですね!3420円になります!……丁度お預かりします!ありがとうございました!」


それから休む暇なく、注文を取ったり、料理を届けたりしてたら気づいたら21時半。

ラストオーダーの時間になっていた。


そろそろ終わりかな~って思っているとお客さんがやってきた。


「あの、ラストオーダーの時間なの……朝陽君?!」


「おお。もう終わった?」


朝陽君と矢野さん、同期の滝沢さんも含めた5人組がやってきた。

朝陽君が私に確認してきたので、裏で休んでいる店長の下へ向かう。


「ちょっとまってて!店長おおお!朝陽君たち来たけどどうします?」


「あ、じゃあ入れてあげて」


穂乃果ちゃんの彼氏さんだから特別ね?って言われた。

さすが店長!


「わかりました!……では、空いてる席へお座りいただいてお待ちください!メニューは決まってますか?」


「ビール4つとウーロン茶、あとは五目焼きそば大盛5つ」


「承りました!少々お待ちください」


店長に注文を届けて、ビールの準備をする。

その間、朝陽君たちの会話を盗み聞く。


「明日で終わる~……」


「随分進んだもんな」


「滝沢が仕事終わったっていうから、引っ張ってきてよかったぜ」


「せっかく1日早く休み取れるとおもったのによ……」


「いいじゃねぇか。おかげで朝陽のおごりで飲めるんだ」


「特別だぜ?」


「とことん飲んでやる!」


ビールを4つ準備し終え、テーブルへもっていく。


「ビールでお待ちのお客様~?」


「あ、俺以外」


「あ、朝陽君飲まないんだ?」


「ああ、こいつらは全員タクシー予約してあるから。穂乃果もバイト終わるんだろ?」


矢野さんは真由美さんの迎えらしい。

他は寮組なのでタクシーだそうだ。


「うん、朝陽君たちが最後だからね」


「一緒に帰ろうと思ってな」


つまり、一緒に帰るために寄ってくれたってこと?!


「氷野と帰るために今日こいつ頑張ったんだぜ?」


「そうだぜ、休みの俺まで駆り出されたんだからな!」


「暇なんだからいいだろ」


「俺は休みが欲しいの!まぁ同期のお願いなら聞いてやらんこともないがな?」


「男のツンデレなんて求めてねぇよ……」


結局、私は同席して店長に晩御飯を奢ってもらって、朝陽君の会社の人と会話をした。

全員の支払いは朝陽くんが行い、それぞれ解散する。


歩いて、駅まで向かう。

今日の出来事を朝陽君と話し合っていると、気づいたら家に帰ってきていた。


「「ただいま~」」


お互い、見合って笑い合った。





~~~~~~~~




毎日王冠と京都大賞典が終わりましたね~。

エルトンバローズのNIKKEI賞を初めて競馬場で観戦したので馬券買って応援したら当たりました。

京都大賞典はボッケリーニを3着に選んでただけに残念な結果に……。


来週はリバティアイランドですね。

2,3着を当てる難しいレースになりそうです……。






今さらですが、詳しい描写はないけど宮城県がストーリーの舞台です。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る