「少し言葉を濁らせよ?」




※ぶっちゃけ読まなくても大丈夫です。




朝食を食べ、俺の運転で高速に乗っている。

途中パーキングに寄ったりして休憩を行い、目的地にはお昼前に着いた。


場所は競馬場。


穂乃果の実家から二時間ほど離れた場所にあるが、この競馬場でレースが行われるわけではない。

開催日でなくても馬券の販売などは行われているし、お昼も済ませることが出来る。


「久々に来たー!」


「俺も久々だわ」


「わたしは先週も来たぞ!」


「負けて落ち込んでたものね~」


入場料を払い、普段レースが行われる会場まで向かう。

予想していたより人が集まっており、レースの合間というのもあって、どこも次買うレースを吟味していた。


お義父さんが先行し、俺らはついていく。

大きなスクリーンがある場所に到着し、次のレースのパドックを確認する。


「新馬戦か~。買うなら無難に人気の8かな~」


「いや、私は4番の馬がいいと思うぞ!」


「わたしは白い毛の11番かな~」


「よくわかんないわ~」


一通り確認し、券売機のほうへ向かう。

投票用紙に買い目を記入し、馬券を購入していく。


俺は穂乃果の推薦馬と人気馬を軸に馬券を購入した。


第5レース、新馬戦、14頭、芝1800、良。


俺の買い目

8→11→全。

1通り1000円、12通り。


穂乃果の買い目

8⇔11。

1通り5000円、1通り


お義父さん

4→8,11→全。

1通り1000円、24通り。


お義母さんは購入なし。


「穂乃果も買うのね~?」


「うん、こういうときは買ってる!」


「今日こそ当ててやる!」


「当てましょうね!」


スクリーンが一番見やすい位置へ移動し、レースが始まるまでおしゃべりタイムだ。


「朝陽くんは休みの日はなにやってるのかしら?」


「特になにもやってなかったっすね。会社の先輩に競馬誘われたらついて行くくらいっすからね」


「付き合ってからは基本的にずっと一緒に居たもんね?」


「そうだな。基本ゴロゴロしてた気がするわ」


「仲睦まじそうでよかったわ~。それより、お父さん?いつまで真剣にスマホを触ってるんですか?」


俺の隣でスマホを真剣に操作しているお義父さん。

チラッと覗いてみると、地方競馬の情報を調べているようだ。


「やっぱり、人気通りに買うべきか……?」


「それって今日の地方重賞ですよね?中央馬も参戦するから中央馬だけのボックス3連単でいいんじゃないですか?」


「やっぱりそう思うか?しかし、これは今日の結果次第だな……」


一旦スマホを仕舞い、会話に交じってきた。


「そういえば、どちらからお付き合いを申し出たんだ?」


「私からだよ?」


「穂乃果からっすね」


「あら、意外ね?」


「たしかに意外だな。親バカに思われるが娘はかなりモテたはずだ。特に高校生になってから一気に見た目美しくなったからな」


「そうね~。急におしゃれを教えてほしいと言われたときはびっくりしたわ~」


鬼気迫る様子だったらしい。


穂乃果のお母さんはファッションデザイナーだ。

オシャレを聞くなら間違いない人選。

お義父さんはサラリーマンだ。


「そりゃあ、好きな人に振り向いてもらうにはオシャレするしかないからね!まぁ意味なかったみたいだけど!むしろ、逆効果だった可能性もあったもんね?」


「まぁな、急にモテ始めたもんな?」


「ほら、効果なかったじゃん!」


「でも、ちゃんと結婚も考えてもらえてるのだから無駄な努力ではなかったと思うわよ~」


「そっすね。大人になった穂乃果に迫られたからOKしたくらいっすからね」


高校の時だったらたぶん断ってたと思う。

あんときはあんまり恋愛に興味なかったからな。


「お、始まるぞ?」


「よし、一旦レースに集中しよ!」


お義父さんと穂乃果がスクリーンをガン見している。

俺も芝生の上に座りながらのほほんとしながらスクリーンを見上げる。


レースが始まった。

ゲートが開き、一斉に飛び出した中、一頭だけかなり出遅れた。


「……4番」


「お父さんドンマイ!」


「なんもいえねぇ……」


「お父さん外したの?」


「絶望的だね!」


「穂乃果、少し言葉を濁らせよ?」


レースは11番を先頭につつがなく進んでいく。

4番は最後方で馬群に追いついたが既に手応えはなさそうだ。


お義父さんも地面に伏せており、ブツブツ呟いている。


最終直線に入ると、11が粘りを見せるが馬群の隙間を縫って8が突っ込んでくる。

そのまま11と8の叩き合いである。

3番手とは差が開き、最終的に8が差し切った。


「「あたった!」」


「あら、おめでとう~。いくらくらいになるの?」


「俺は3着次第っすかね~」


「6っぽかったよ?」


「じゃあ2番人気か~。確定するの待つか」


絶望しているお義父さんを尻目に確定するのを待つ。

5分ほど待つと着順が確定し、オッズが映し出された。


「お、96倍ついてるわ」


「私は?」


「23倍だってさ」


「5000×23だから~」


「11万5000だな……」


「やった~!」


「朝陽くんは96倍で1000円だったかしら~?」


「そっすね、9万6000っすね」


「あら~、二人ともボロ儲けじゃないの~。で、お父さんは0ってわけね?」


「やめてくれ……。わたしはもう立ち直れん……」


俺と穂乃果で約20万勝ち。

結局、このあとはメインレースまで観戦だけで留めていた。

お義父さんがかわいそうで仕方ない。



◇◆◇◆◇◆◇



周りに人が増えてきた。

メインレースのパドックがスクリーンに映し出された。


「やっぱ5番が良さそうだな」


「うん、わたしも5番が良く見える」


「わたしも5は同意見だ」


今回の目玉レースの注目馬だ。

このレースで引退を表明しており、ここまで12戦全勝。


「でも、個人的に15番の馬がすごく気になる!」


「15か~。大穴だな……」


「なるほど……、15か……」


穂乃果の直観はかなり的中する。

ここまで観戦してきたが、予想だけはしてきた。

ほぼ全レース当てる勢いだ。


「でも、5からでいいんじゃないかな~」


「俺もそう思う。対抗は4番だな」


「私は穂乃果の言うことを信じて5→15で行こうと思う!」


「じゃあ買いに行きますか」


投票用紙に買い目を記入し、再び券売機の行列に並ぶ。

先ほどよりも人は明らかに増えており、人口密度がすごいことになっている。


「よし、買えたな」


「うん!楽しみだね!」


「じゃあお義母さんのところにもどろっか」


「うん!お父さんはギリギリまで悩むんだっけ?」


「そう言ってた。だから先戻ってていいってさ」


「じゃあ、はぐれない様に手を繋ご?」


「おう」


恋人繋ぎでお義母さんがまってるところへ戻っていった。



◇◆◇◆◇◆◇


迷った挙句、みんな同じような馬券になった。


「楽しみだね~」


「うむ。これで外れたら当分は競馬はやらん!」


「そういいつつ、年明け早々やってそ~」


「やらん!ただし、一人ではだ!」


「朝陽くん誘う気満々じゃん!」


しょうもない話をしていると気づいたら時間になった。

ファンファーレが流れ、メインレースが開幕された。


緊張感が高まり、開催会場でもないのにレース場は熱気に溢れていた。


「すごいね」


「ああ、この感じ久々だわ」


「当たったらいいね?」


「ああ、当たるよ。きっと」


続々と競走馬がゲートの中に納まっていく。

一瞬の静寂。

ゲートが開くと同時に観客のボルテージが徐々に上昇していく。


「お、15と5は良さそうだな」


15は先行し、5は馬群に囲まれないように外を回るように駆けている。

隊列が確定し、つつがなく進んでいく。

最終コーナーに近づくにつれて、会場のボルテージはMAXまで跳ね上がる。


「いけー!」


「5差せー!」


穂乃果とお義父さんが叫ぶ。

周りの声に負けてない。


「よし、5上がってきた!!」


「でも、15も粘ってるよ!これあるよ?!」


残り200を切った。

かなり混戦しているが、8がさらに加速する。

うちでは15も粘って逃げていた。


「残り100切った!15頑張れ!」


観客の応援がうるさい。

それほどみんな興奮している。

結局一番最初にゴールを駆けたのは5、その後混戦のようだ。


15や4はギリギリ残った気がするが果たして……。


数十分の写真判定の結果が反映された。


「やった!15が2着!」


「3着は4か」


「みんな的中だね!!」


「あ、あたった……」


「お父さんいくら賭けてたの?」


「5→15に10万……」


「え?私1万だけど……。朝陽君、何倍付いてる?」


「85倍付いてるわ……」


2着が大穴だったため、圧倒的人気の馬が1着だったとしても結構付いた。


「「「「えええええええ!!!!!」」」」


グランプリレース、合計100万越えの勝ちである。



「「いやぁぁぁ!!!」」



映像の向こう側から何故か聞き覚えのある悲鳴が聞こえた気がした……。






「飯いくぞーーー!!!」


「高級焼肉いこ!!」


「久々にお肉もいいわね~」


「しらべときます」



結局、車で3時間運転した。

でも、おいしい焼肉が食べれて満足である。








~~~~~~~~~






途中からこんな話いらなくね?って思ってしまった。

だから最後のほう雑になってしまった……。


忙しかったから許して……。


それと、PV10万達成しました!

これも皆様のお陰です!

いつも読んでいただきありがとうございます!


これからも毎日更新できるように頑張っていきます!

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