「とっても幸せなの」

婚約指輪と結婚指輪の違いはご存じだろうか?

文字通りなのだが、結婚を申し込む際に贈るリングが婚約指輪であり、基本的には婚約申し込みをされた人だけに与えられる。


婚約指輪は男性から女性に贈る指輪であり、女性だけが身に着けるものである。


それに対して、結婚指輪は文字通り結婚後、左薬指に身に着けるものだ。

こちらは婚約指輪と違い両者2人が付けるものだ。


「基本的にはダイヤモンドをメインに、フレームリングをお選びする形になります。安いものですと10万程度から数百万まで好みに合わせた婚約指輪をお作りすることができます」


「実はある御社の商品について調べてまして、デザイン等はある程度決まっているのでダイヤモンドの種類とかを相談したいんですが……」


「わかりました。ご希望のデザインをお伺いしてもよろしいですか?」


粗方決めていたデザインをカタログで伝える。

木目金の板で加工したフレームリングで、メインのダイヤとは別に誕生石と呼ばれる宝石を左右どちらかに取り付けることができるものにした。

リングカラーもシルバー×ホワイトゴールド×ピンクゴールドの組み合わせ。


「ダイヤモンドは基本的に4Cと言われているものから値段が変わっていきます」


4Cとは、重量《カラット》、カラー透明度クラリティ、輝き《カット》の4つのアルファベットの頭文字が「C」であるため、ダイヤモンドは4Cによって品質が決まると言われている。


カタログでダイヤモンドの詳細についてのページを紹介された。


「0.4カラットでカラーは無色がいいのでD、どうせなら内包物はないほうがいいのでIF《インターナリーフローレス》で、カットはよくわかんないので最上級のものをお願いします」


「結構お値段掛かりますけど大丈夫でしょうか?」


「予算は50万ほどを思っていたのですが、大丈夫ですか?」


「でしたら予算内ですので、次に誕生石ですが、お相手様の誕生月はいつ頃でしょうか?」


「12月ですね」


「今月でしたか!でしたら、タンザナイトですね」


「タンザナイト?」


「はい、紫色の宝石で石言葉は『繁栄』です。豊かな財運を与えるといわれ、緊張やストレスを取り除き、気持ちを癒し安心感を与える効果があるともいわれています。ちなみにダイヤモンドの石言葉は『永遠』ですね」


ちなみに4月の俺の誕生石はダイヤモンドらしい。


「じゃあ、メインをダイヤモンドで、誕生石のタンザナイトをとりつけてもらっていいでしょうか?」


「お承りしました。結婚指輪はいかがなさいますか?」


「そのときは相手も連れて検討してみようかなって思います」


「承知しました。完成まで1か月ほど掛かります。お支払いは前払いを半額払ってもらい、完成後、お受け取りの際にもう半額をお払いしていただくことになりますが、よろしいですか?」


「わかりました」


「ありがとうございます。でしたら、お値段は……」


高額の値段を払い、満足のいく婚約指輪が選べた。

あとは届き次第、穂乃果に結婚を申し込もうと思う。



◇◆◇◆◇◆◇



ブライダルリング専門店を出て、予約していたピザを受け取りに行った。

20分ほど前に完成していたが、婚約指輪選びが長引いてしまったために受け取りに時間が掛かった。


前払いだったので、店員さんに注文の品を伝えるとすぐに準備してくれた。

ピザを受け取り、穂乃果の家に帰る。


「ただいま~」


「おかえりなさい!どうだった?」


「満足のいくものが作れそうだ。楽しみにしててくれよ?」


「うん!えへへ、期待しちゃうな~!朱莉に自慢しよっと!」


「ちょい、せめて届いてからにしろよ?」


「わかってるよ~、えへへ」


俺の空いている腕に抱きついてきて、ニマニマしている。

俺が制止してなければ、すぐにでも電話をかけていたことだろう。


「じゃあ、食うか。腹減った」


「うん!じゃあ飲み物準備するね?コーラでいい?」


「まぁピザといったらコーラだからな。そのあとにお酒飲もうぜ?」


テーブルの上にピザとサイドメニューのポテトフライ等を並べ、穂乃果が準備したコーラを片手に持つ。


「じゃあ、穂乃果誕生日おめでとう!」


「ありがと!二十歳だあああ!!」


コーラで乾杯をして一気に飲み干す。


「ゲプッ……」


どちらから漏れた音なのか。

両者相手を見つめて、同時に笑い合った。



◇◆◇◆◇◆◇



「ねぇ、朝陽君」


「どうした?」


「私ね、今とっても幸せなの」


とある行為を終え、シャワーを浴びた後。

寝ようと替えの布団の上で寝っ転がっていると隣から寄り添うように俺の布団に入ってきた。


寝たと思っていたが、寝付けていなかったらしい。


「高校を卒業したら一生会えないかな~って思ってたの。だって成人式も中学違うから会えないし、同窓会だって朝陽君は顔出さなかったじゃん」


「仕事忙しいってのもあったが、行く必要なかったからな~」


「でしょ?だから、いろんな巡り合わせで今の私たちがあるんだから、とっても幸せなんだ!矢野夫婦とも出会えたし、もしかしたら、私たちの子供が私のお腹の中にいるかもしれないじゃん?」


「妊娠っていつ頃わかるんだ?」


「女の子って生理に周期があるんだよ。その周期が2か月くらい来ないと大体妊娠してたりするの。あとは妊娠特有の初期症状でわかったりするけど」


男は女の生理について、全然知らないからな。

周期は早かったり遅かったりするらしいので、個人差なのだろう。


「それにしても、来年は忙しいね?」


「そうだな。2月からは夢のマイホームだ。1月は日向家と氷野家の顔合わせもやんないとな?」


割と予定はびっしりである。

なんなら1月はプロポーズだって控えてるからな。

顔合わせは最悪2月になりかねん。


「その前に今月最後のビックイベント乗り越えないとね?」


「ああ、認めてもらえるかな……」


不安が過る。

だが、寄ってきていた穂乃果が俺に抱き着いてきた。

俺も穂乃果を抱き寄せ、緊張を誤魔化す。


「大丈夫だよ、自信もって!私の旦那になるならそれくらいしないと!」


「それもそうだな。じゃあ、俺の妻になるなら嫁姑問題には気を付けないとな?」


すると、抱き寄せていた穂乃果の体が一瞬ピクっと反応した。


「そうだね、お母さま優しそうな方だたらいいな~……」


「大丈夫だろ。だって俺の妻になるんだろ?」


「もちろんだよ!絶対に結婚して妻になる!」


「じゃあ、覚悟も決めたことだし。寝るか」


俺の腕の中にいた穂乃果が体で体を刺激してくる。


「もう一回やんないの?」


「明日仕事だからさすがに寝ないとやばい」


「それもそっか?さすがにわがままがすぎるもんね……」


「ちっ、そこまで誘われちゃあやらないわけにもいかねぇじゃんかよ」


「無理しなくても……んっ!」


しゅんとした顔の穂乃果に強引にキスをしていく。

最初から強引に攻め、舌を絡め合う。

あとは考えるより先に手が出て、おっぱじ始めた。


「んんっ!あっ!」


穂乃果の必死に抑えようとしている声が枕越しに部屋へ響き渡った。


時刻は3時。

俺は寝ずに仕事へ行く羽目になったとさ。





~~~~~~~~~




さて、この章の半分が終わりました(たぶん)

婚約指輪は「杢目金屋」というサイトの「恋風」というものを参考にしてみました。

美しいので、婚約を考えているかたは参考にしてみてはいかがでしょうか?


独身のかたでも、興味があったら見てみてください!

ちょっと虚しくなりますが、許容範囲です!!


作者は調べるのに精いっぱいで無事虚しくなりました!


穂乃果「私そんなエッチじゃないからね?」

朝陽 「誰も信じねぇよ」

穂乃果「みんな、信じてくれるよね?!」

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