「またナンパ~?」

明日デートということで、私は買い物へやってきた。

ちょっと遠いショッピングモールで朱莉と待ち合わせをしている。


待ち合わせの場所へ先に着いた私は流行りのファッションを調べて待つ。


「うーん、今のトレンドは露出多めなんだなぁ…。うわ、これとかほぼ裸じゃん!」


海外ブランドは本当に際どいものが多い。

日本は基本スリムに見えるファッションが流行り気味だった。

今もそれほど変わってはないが、へそ出しや、ミニスカなど季節問わず今年は人気っぽい。


「お姉さん一人~?」


「俺らと遊ばね?飯おごってやっからよ!」


「間に合ってるんで大丈夫です」


やはり来たな、ナンパ野郎。

これだから同じ場所に留まるのは嫌なんだよな~。


「そう言わずにな?」


「いえ、待ち人いるので遠慮しときます」


まぁきっぱり断ってもどうせしつこく絡んでくるんでしょ……。


「じゃあその子も一緒でいいよ?」


「俺ら懐深いから大丈夫!」


あぁ~、やっぱりね……。

さて、どうしようかな……。

今朱莉が来ても悪化しそうだし、逃げる一択?


幸い、今日はチノパンにスニーカーだから逃げれるけど、さすがに目立つよね……。

かといって、逃げる以外に選択肢があるかと言われると微妙だもんなぁ……。


「どうした、悩むくらいなら俺らと遊ぼうぜ?」


こいつらどうして私が悩んでるのか分かってないのね……。

絶対に下半身に忠実なチンパンジーなんだよねぇ~。


「あ、穂乃果ちゃん!久しぶり!」


「ああ、確か氷野だっけか?久々だな」


すると、知らない夫婦が声を掛けてきた。

子供を2人連れて、こちらにやってくる。

男の人はガタイもよく、ちょっと怖い。


「どーした、ナンパか?」


「そ、そうなんです!しつこくて……」


「い、いや、俺ら道わかんなくて……、教えてくれてありがとな!」


知らない人とはいえ、助けてくれそうなので話に乗っかる。

ナンパ野郎は、男性のほうを見るとビビッて踵を返した。


「大丈夫だった?」


「あ、あの、助けていただいてありがとうございます……。失礼ですが、なんで私の名前を……」


「あら、そういえば一方的にしか知らないのよね!旦那が穂乃果ちゃんの彼氏の仕事仲間なの。日向君の彼女の穂乃果ちゃんだよね?」


「えぇ!?朝陽くんのお仕事仲間の?!話だけは聞いたことあります!たしか、矢野さんって言ってた気が……」


寝る前に電話することが日課になっており、たまにお仕事の話や大学での話などをしているため、名前だけは知っている程度だ。

めっちゃくちゃいい人らしい。


「そうそう!私が真由美で、旦那は隆司。見た目怖いけど結構優しいのよ?」


「矢野だ。日向から話は聞いていたが美人だな」


「こら!ナンパされてて怖がってるんだから変なこと言わないの!」


「い、いえ!ありがとうございます!」


「ふふ、そう畏まらないで?旦那とは年は離れてるけど、私と穂乃果ちゃんはそんなに離れてないのよ?」


「たしかに若そうですよね?」


「でしょ?4つ上だから私のほうがお姉さんね!」


ってことは24歳?!

全然同年代に見えるんだけど!

というか、普通に美人過ぎてやばいんだけど!


女性としての余裕がやっばい!

既婚者で子持ちだからかな?


「とりあえず、誰かと待ち合わせしてるんでしょ?私たちは買い物に戻るからナンパには気を付けるのよ?」


「は、はい!ありがとうございました!」


「いいのよ~。今度日向くんと家に遊びにおいでね~?」


「機会があれば朝陽くんとお邪魔します!」


「ええ、それじゃあ、明日のデート頑張ってね?」


え、明日デートってことも知ってるの?

朝陽君から聞いてるとはいえ、ちょっと恥ずかしいな~。

でも、助かったには変わりないよね。

本当に優しそうな人たちだったなぁ…。


◇◆◇◆◇◆◇


それから数分が経った。

朱莉から電車混んでると連絡がきたから、場所を移動して待ち合わせ場所を変えた。


「穂乃果~!遅くなった!ごめん!電車混んでて!」


「大丈夫、ちょっと問題が起きたけど知り合いのおかげで解決したところだったから」


「またナンパ~?」


「そう、またナンパ~」


「モテるわね~。まぁ高校のときからか。よし、買い物始めちゃおう!」


というわけで色んなお店を見て回ることに。

秋が近いということもあり、どこのお店も秋服の販売が始まってきた。


「というか、穂乃果はエッチな下着あるの?」


「あるよ~、そりゃあ、朝陽くんと会うときはいつでも抱かれてもいいように準備しないといけないからね~」


「ふぅん…、じゃあ服だけでよさげ?」


「い、一応、下着も見とこうかな…」


「よしきた!まかせて!」


そういうわけで少し歩いてやってきました、ランジェリーショップ。

シンプルなものから、これエロ過ぎない?ってものまで品ぞろえ抜群です。

勝負下着ということで、結構際どいエリアのほうへ引っ張られていきます。


「やっぱ黒?赤?」


「これほぼ紐じゃん!ってこっちはショーツに変な穴あいてるんだけど…」


「こんなものよ?シンプルなほうがいい?フリル付きとか?」


「こっちの黒のレースのブラとショーツとかどう?」


「穂乃果、結構スタイルもいいし、いいんじゃない?値段ちょっと高めだけど」


仕送りだけで生活してる私には結構きつい値段設定。

しかし、ここ一番で大事なデートである。

ここは値段気にせずに買うしかない!


というわけで、そのほか2点ほど購入し、ランジェリーショップをあとにする。


「ぐへへ、穂乃果もそういうエッチなやつ買うんだねぇ!」


「おじさんっぽいよ…。まぁ、ないよりはいいでしょ?」


「さて、次はファッションね。と言っても私気づいたんだけど……」


「うん?」


「穂乃果にはセクシー系は似合わないと思うのよね!」


結構失礼なこと言われた気がする……。

でも、正直自覚はある。

見慣れてないからと言われればそれまでだけど、今まで露出の少ない服ばかりを買っていたせいかもしれない。


「てことで、やっぱり、ワンピ系でいいと思うの」


「じゃあ、こういうの?」


一番近いお店の気になった商品が丁度黒一色のノースリーブのロングワンピースだった。


「これになんか羽織る感じにしたらダメ?足元ヒールにして」


「おお、ありかも。でも、個人的には黒いジャンパースカートで袖が透ける系のシャツの組み合わせとかいいんじゃない?」


「おお、結構いいかも。うーん、どっちがいいかな?」


「ワンピだともし脱がされるときに大変だからジャンパーのほうがいいんじゃない?」


「そうか、脱がされる…ってこと考えたほうがいいのかな?」


そういえば、あんまり朝陽くんの好み知らないな~。

この前の服装は好きだって言ってたっけ?


「まぁ資金に余裕あるならどっちも買ったら?もし足りなさそうなら少しなら貸せるよ?」


「多分足りると思う。よし、買ってこようかな!」


てことで、ワンピとジャンパースカートと組み合わせを買った。

結構とんでったけど必要な出費だし、問題ないよね!


「じゃあ他のお店も見て回ろー?私も今度のデート用の服買おうかな~」


「また買うの~?結構際どいの買ってたよね?」


「同じ服着ていけるわけないでしょ!」


「そりゃそうだけど、デートの回数と前回買った服の枚数見合ってないでしょ……」


「それはそれ、これはこれよ!とにかく付き合いなさい!」


それから夕食を挟みながら21時ほどまでショッピングをして回った。

まぁ、なんだかんだで、私も結構買った。

そろそろバイトしないと厳しいかな~。





~~~~~~~~




結構ファッションとか調べながらだったので、自分の中ではイメージできてるんだけど、文章だけだと読者には伝わないのよねぇ…。

文才が欲しい所存!

てことで、デート回が始まります!

これが終わったら一区切りかな~。


少しコメディ寄りの話をします!

主に矢野家との絡みとか、同期くんのマッチングアプリの成果とか……。




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