5.妹

ー1月34日ー


いつもより遅く起きてしまった。

「やばい!遅刻じゃないか!!」


俺は急いでカレンダーを見た。

「なんだ、今日は日曜か。」

俺はほっと溜息をついた。


そういえば、俺は病院で何かを打たれて…

なら何で俺は今、家にいるんだ?

俺はとりあえず、煤湯にこの事を伝えた。

煤湯ならこんな話でも聞いてくれるだろうと思ったからだ。

「、、と、こういう事なんだが…お前はどう思う?」

「うん、お兄ちゃんなら何で家にいると思う?」 

       

こいつ、質問を質問で返してきやがった…

「え?ただあの医者が、俺を家に帰しただけだと思うんだが。」

「本当にそう思う?」


煤湯は続けて

「その医者は何で家に帰したと思う?」

ますます、意味がわからなくなった。

「え、お前が俺を家に連れて帰るために来たんじゃないのか?」

「ふふっ、それはお兄ちゃんが決めることよ、、」


何が何だか頭の処理が追い付かなかった。

そんな悩んでいる俺を見てか、煤湯は

「一つだけ言うね。確かに私は運んだ、でもどこ まで運んだかは、お兄ちゃんには分からないよね。そこを考えてほしい。」

「あ、あぁ分かったよ、」

そういうと安心したのか、少し笑った。

「この謎を解きなさい、<神>の加護を。」

そう言うと、満足したのか笑顔で窓から飛び出した。

「、、煤湯!?」


突然後ろから階段を駆け上がってくる音が聞こえた。

子供のような足音、近づいてくる。

すると次は視界がぼやけ夕焼けのように赤くみえる。

「なんだ、なんなんだよ!悪夢なら早く終わってくれ!!」

そういうと横から俺の手を掴み、こっちを凝視しながら子供が話しかけてきた。

「君はこの村から出たら死ぬ、出なくても死ぬ運命。すべては神の御導き。」

「神の御加護を。」


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