3.教室
ー8月29日ー
俺は何故か、知らない学校で寝ていた。
「昨日撃たれてたけど大丈夫だった!?」
塩尻が心配してくれていた。
「ありがとう、塩尻…」
俺はこの状況に不信感を抱いた。
「ところでなんで俺はこんなところで寝ているんだ?俺は病院にいたはず…」
「そうなんだよね、私も起きたら学校で…とりあえず外に出よっか!」
それにしても田舎の学校だな…とりあえず俺はドアを開けようとした。
「ん?開かない?」
何故かドアが開かないのだ。
すると誰かが奥から歩いて来る音聞こえた。
「誰だ?」
目の前まで迫ってきたその瞬間、笑い混じりの大声で
「そこで大人しく脱出方法でも考えとくんだな!」
そう言うと黒い布を被った覆面男がドアの隙間から紙が差し込んだ。
何かの問題のようだ。
「AとBの間に生まれたのはAB、BAだが、
SとIの間に生まれたのはなにか答えを次の丸に当てはめろ。
後ろから○列目の○の裏を確認しろ。」
そして下に小さく
「~この問題お前たちに解けるかな?もし今日中にこの部屋から脱出できなかったら、お前たちは死ぬ。」
と書かれていた。
この問題を読んでいる俺に対して覆面男は手に何かが入った試験管を見せながら
「さぁ、せいぜい足掻いてみろ!神崎くん♪もしお前たちが死ねば俺はあの方に近づけるんだ!」
そう言ったら笑ってどこかへ行ってしまった。
「くそ!あいつは前死んだんじゃなかったのか!」
そうだ、今の覆面男は声も背丈も同じだったのだ。
今はとりあえず、教室を探索してみた。
時計の上にはうっすらと文字が書いてあった。
「守綱中学校?」
聞いたことのない名前の学校だった。
ほかにも壁やロッカーなどを探ってみたがロッカー以外特に怪しいものはなかった。
ロッカーには鍵がかかっていて何かを隠している様子だった。
とりあえず、この渡された問題を解かないとな…
「うーん…これはどういう事だ?AとBの間に生まれたのはAB、BAってなんだ?」
AB…なんだか聞き覚えがあるな。
そう悩んでいる間に塩尻が
「もしかしてそれ、血液型じゃない?」
「じゃあ、この下のSとIはSIとISって事か!」
じゃあこれは後ろからSI列目のISの裏を確認しろ
って事か。
恐らく4列目のイスの裏という事だろう。
早速探した。
すると、薄汚れた椅子の裏には
「ーテレビの電源を入れろ。」と書かれた紙とテレビの電源コンセントが貼り付けられていた。
俺はその通りに電源を入れると突然映像が流れ出した。
「よう、お前ら!ここまで解くことが出来たようだな。とりあえずおめでとう!じゃあ次の問題と行こうか。」
「お前たち、円周率って知ってるよなぁ?その円周率の12、8、5、10、2桁目がお前たちの後ろにある掃除箱の鍵の暗証番号だ。」
「これを解くことが出来たら晴れて脱出だ!頑張ってみな!」
と言うと問題の画面が出た。
「円周率か、3.14までしか覚えてないな…」
すると塩尻が
「3.14159265358。」
「え?」
「だから3.14159265358だよ。」
そうか、完全に忘れてた。
「えーっと、じゃあ、1、5、6、3、8か!」
と言うと、俺は早速鍵の暗証番号を解きに行った。
「よし、解けた!」
中には薄汚れた鍵が入っていた。
俺はそんな鍵を使ってドアを開けた、その瞬間
上から大量のまち針が落ちてきた。
「うわぁぁあ!」
当然俺は身体中に刺さった。
何が起きたか分からなかった。
「あなたが私の輪花を殺したんでしょ!?」
倒れた俺の事を蹴りながら、笑い声を混じらせ言った。
「馬鹿ね!監禁するならなんで、あんな簡単な謎を作るのよ。あと、なんで私のことを信じようなんて思ったの?」
「そりゃ、、お前は、幼馴染だからに、決まっ、てるじゃない、か、」
すると塩尻は嘲笑うかのような煽り口調で
「え〜なんて?私は貴方の幼馴染なんて覚えはないわよ〜?まぁ、とりあえず私は<神>の近くに行けるわ。」
「まぁ、とりあえず貴方は病院送りね。」
「塩尻、、お前、」
「じゃあまた会いましょう、あっちで待ってるわ。」
塩尻はそう言うと、銃らしきものを取り出しこちらに向けてバン!という発砲音を鳴らした。
「、っぐ」
「<神>の加護を。」
と塩尻は言った。
「あははははは!!神様神様神様神様神様神様神様神様神様神様神様神様神様神様私はやることが出来たんだぁ!!!」
まるで悪魔に取りつかれたかのように神様と連呼している、神と言っているやつに悪魔というのは皮肉と言ったところか。
俺は自分の体から流れ出てきている生暖かい何かに包まれながら、視界、聴力が無くなりかけたところで意識を失った。
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