2.自殺、他殺、神

2.自殺、他殺、神


ー8月28日ー


はっ!と目が覚めた。

俺はとある病院に入院していた。

(そうか、俺は銃で撃たれたんだった、、)


ベットの横には、ある手紙が置いてあった。

その手紙を心の中で読んだ。

「〜この手紙を読んでいる頃には俺は死んでいるだろう。そんなことはまぁいい。お前は<ヒント>が欲しくてこの手紙を見たんだろう。いいだろうヒントは、(は、お、れ、ろ、さ、た、こ、れ)だ。ある数字と合わせることでわかるかもな、<神>の加護を。」


今はよく意味がわからないな...

何だ?この文字は?

文字の意味を解読しようと悩んでいたら、


「神崎さん、おはようございます。よく眠れましたか?」


誰だこの人?

俺は首を傾げた。


「あぁ失礼しました。こういう者です。」

そう言うと刑事の持っているアレを見せた。

刑事さんか。

「神崎さん1週間近く寝ていたんですよ。」

「俺、そんな寝ていたんですか?」

「はい。そしてあの時の事件あなたも気になりますよね?」

刑事さん、あの事件のことを知っているのか…

「はい…知りたいです。」

「昨日銃乱射事件がありましてね、覆面男犯人の名は猪野 吉継」

その覆面男の素顔を撮った写真を見せて

「そして銃で撃たれた痕跡があり誰かに殺されたと思われます。それで非常に話しにくいのですが…煤湯さんは死亡しました。」


煤湯は死んだのか…

あの時俺が庇ってやれたら…

刑事さんの話は続いた。


「そしてその10メートル先にある〇〇ビルの屋上で同じように覆面をした男が死亡していました。

鑑定結果によると、テトロドトキシンによる中毒死のようです。

そして、スナイパーライフルを所持しており、恐らくこの男が猪野 吉継を殺したのだと思います。

指紋も出ていますし、間違いないと。

そしてその男の腕には31256847とナイフで書いたような痕がありました。

なにかの遺言でしょうか?」


(何だ?その数字?)

31256847?

なにか意味がありそうだ。

俺はその謎を調べるために例の手紙と謎の文字を照らし合わせてみることにした。

(これはもしかしたらこの手紙の数字、文字の入れ替えを意味しているのか?)

俺は腕に書かれたという数字の通りに入れ替えてみた。


お、れ、は、こ、ろ、さ、れ、た、

3、 1、 2、 5、 6、 8、 4、 7、


[俺は殺された?]

「あいつ自殺じゃ…じゃあ他殺になるのか。」

そもそも、あいつは俺の事をなんで知っていたんだ?そして、なんであいつは俺じゃなくてもう一方の覆面男を?

すると刑事さんが

「それで…失礼ですが、あの事件の事で覚えていること全て話してくれませんか?」

俺から情報が欲しいようだ。

俺は昨日のことを覚えている限り全て話した。


「ふむふむ、分かりました。ご協力ありがとうございます。それで一つ気になったのですが、その手紙は?」

「あぁ、この手紙は私の妹を殺した犯人だと思われる人から届いたんです。」

「そうなんですか、一応警察の方で預かってもいいですか?」

「なんでですか?」

「猪野さんが誰に殺られたか、貴方も知りたいでしょう?」

まぁ、たしかに気になるな…

「そうですね…じゃあよろしくお願いします。」

俺はこの手紙を渡した。

これで犯人が分かればいいな…。

代わりに刑事さんは1台のカメラを渡された。

「それは現場から回収されたものです。あなたの妹さんのカバンの中から見つかりました。」


煤湯が持ってたのか、俺のカメラを…。


そう、このカメラは元々俺の物だ。

昔、俺が家族の記録を撮るために持っていたものだ。

でもなんで煤湯が俺のカメラの置いていた場所を知っているんだ?

絶対に分からないところに置いていて、教えた覚えがないんが…


まぁ、とりあえず俺は貰っておくことにした。

「ありがとうございます。」

「いえいえ、じゃあ私は帰りますね。

もし、思い出したことがありましたらこの電話番号に連絡してくださいね。」

ふふっと笑いながら小さな声で


「神の事とかね…」


そう言って出ていった。

あいつ神の、、なんて言った?知っているのか…

とりあえず俺はカメラのデータを見てみることにした。

「何だこのデータ?」

俺が撮られた写真の、中に1枚だけ不審な動画があった。


「お兄ちゃん!」

煤湯が自撮りした動画か、。

動画は続いた。

「私、<神様>に会っちゃった!だから動画に残しておくね!あ、そうそうお兄ちゃんは

<神様と会ったら行けないよ。>死んじゃうかもしれないからね!じゃあまたね!<神>の加護を。」

と言い動画は終わった。


(最後の「神の加護を。」って部分あの覆面男と言ってる事が同じだな…)


「何だろうやけに眠たいな。」

俺は何故かは知らないが、突然の睡魔に負け寝てしまった。

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