第14話 約束
凛音が女の子である根拠は突きつけた。これで隠すのは無理だと諦めてくれるだろう。
「僕は絶対に認めない!」
「諦めろよ!そして早く女の子になって!」
「なんでそんなに必死なんだよ気持ち悪い!」
どうせ罵倒されるなら女の子にされたいから。というわけではないが、やはりなんとしても凛音には女の子になってもらわなくては……。
「どうしてダメなんだ……」
「君と同じさ!信用できないから教えられない!もし君が秘密を教えてくれるんなら考えないでも――」
「俺の本当の魂言は【
「……は?」
「俺の目的は数年前に研究者としてこの島に連れて行かれた父親に会うこと。重要研究の責任者らしくて存在自体が秘匿みたいだから――」
「ちょ、ちょっと待って!」
凛音の温かい手のひらが俺の口を覆うようにして言葉を遮る。本来ならこの手はもっと小さくて柔らかいんだなと感慨に浸りつつ凛音に主導権を譲る。
「なにベラベラと秘密を話してるんだよ!」
おかしな事を言う凛音に俺は小首を傾げながら答える。
「だって秘密を話したら女の子と同棲できるんだろう?」
「僕はそんなこと言ってない!」
「騙したのか!?」
「そもそもそんな約束してないって!」
「男に二言はない!約束は守ってもらう!」
「僕は女なんだろ!?」
「だったら証拠を見せろ!」
「どっちにしても逃げ場がない!?」
会話の内容からして、凛音が女性なのは確定的なのだが、なおも無駄な抵抗を続けている。仕方がない、こうなったら……。
「実力行使に移らせてもらおう」
俺は鋭い眼光を向けてそう言った。
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