第4話 秘密
「俺の名前は
自己紹介が終わってないのは遅刻した俺と銀髪君だけらしい。初日から悪目立ちしている分なんとか好感度をあげようと、フランクな雰囲気で自己紹介を続ける。
「俺の
そう言いながら右手のペンを左手に瞬間移動させて見せたが、俺の予想とは裏腹に教室はしん、と静まり返ってしまった。え?スベった?それとも何かまずいことでも言ったか!?
不安に思いながら全体を見渡す。20人ほどの生徒が講義室のような教室の席に座っている。男女比は4:6くらいか。ちょっと嬉しい。
この島にいる、ということはここにいる全員が魂言術師なのだろう。そのほとんどが苦笑い、あるいは困惑の表情を見せていた。
「財は来たばっかりだからわかんないだろうけどな、この島では普通、自分の能力って言わないもんだぞ」
「そうなの!?」
モジャモジャメガネの担任に言われて間抜けな声を上げた。
つまり他の生徒からすると俺は、初対面の相手にヘラヘラしながら自分の超恥ずかしい秘密を暴露している変態に映っているのだ。
「まあ、これからの授業で遅かれ早かれ能力はバレると思うからそんなに気にするなよ」
「先生……」
フォローしてくれるのはアンタくらいだよモジャメガネ。ありがとう。
「魂言までバラす馬鹿はお前くらいだがな!」
「性格ワリーな!」
俺の感謝を返せ。
「僕は
銀髪の美少年改め、凜音が続けて自己紹介を行った。こっちは歓迎の拍手で迎えられていたのが納得行かないが、これを受けて凜音は勝ち誇った顔でこちらを見てきた。絶対コイツも性格悪いわ。
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