オプションもりもり高速要塞 バスティオン

バスティオンは、2012年から配備の始まったフランスの機動車です。


バスティオンは機動車という特性上、軽装甲で軽量です。

近距離からの小口径(5.56mm)アサルトライフルの射撃を防ぐことはできますが、東側諸国でよく使われる中口径(7.62mm)アサルトライフルを防ぐことは難しいです。

砲撃にも弱く、破片の速度が遅くなっていないと防げないというレベルです。地雷にも脆弱です。


しかし、軽量なので機動性の高い車両です。最大速度は110km/hほどです。

V字型に飛び出た車体のため、弾を弾きやすくもなっています。


整備が簡単で、いくつかの車両と基本部品を同じにしているため兵站への負荷も低いという設計になっています。

様々なミッションに対応しており、偵察やパトロール、前線指揮、医療支援など使い勝手の良い車両です。


火力は軽機関銃、重機関銃を搭載可能で、2つのガンポートも備えています。

名前通りハリネズミだったキルピ機動車のようにはいきませんが、中の兵士が乗ったまま戦闘することができます。


また、上部のタレットには自動銃塔を装着することができ、グレネードランチャーによる攻撃も行えます。

このグレネードランチャーから発射される40mmグレネード弾は、装甲の薄い装甲車を撃破することも可能です。推奨はできませんし、確実性には欠けますが。


乗員は10人。運転手と車長の2名に加え、兵士を8名乗せられます。

タイヤ膨張システムや自動消火システム、電動ウィンチなどの細かい装備も標準的に備えています。


……と、ここまで見ると細かい装備が充実しただけの古臭い機動車です。

見た目だけ新しい、でも重機関銃には貫通されてしまう、死傷者を出す確率が高い装甲車です。とても2010年代とは思えません。


ですが、まごうことなき2010年代の、新世代の機動車です。

バスティオンの良さは、オプションが豊富なことです。


素のバスティオンはここまで解説してきたとおりですが、装甲をあと二段階盛ることができます。

レベル3装甲を備えたバスティオンは至近距離からの中口径アサルトライフルの徹甲弾を弾き、炸薬量6kgの対戦車地雷に耐えることができます。

60m先で爆発した榴弾砲の破片にも耐えることができ、MRAPのような防御力を得ることができます。


攻撃力に関しても、バスティオン・パツァスと呼ばれる特殊部隊向け改造型は、重機関銃一丁と軽機関銃三丁で武装することが可能です。

逆に、攻撃力をなくして天板を固め、機動力と快適性に振った型もあります。


バスティオン・フォートレスは、レベル3装甲よりもさらに強力な装甲を取り付けることができます。

フォートレスはもともとHM(ハイモビリティ、高機動)と呼ばれており、名前の通り強力なエンジンを備えることで最高速度も上がっています。


これでも元が軽いので、各国のMRAPと同程度の重量に収まっているものと推測できます。

フォートレスには、基本型を含めて救急車や指揮通信型など11のオプション派生型があり、一大ファミリーを形成しています。


機動車でありながら、機動車とMRAPの中間のような存在にも、MRAPにもなれる。

これがバスティオンの新しいところです。


バスティオンは任務によって柔軟に、防御力と機動力を選ぶことができます。

歩兵を安全に、だけど早く移動させたいという要望に適応し続けられるのは大きな強みでしょう。


あくまで、機動車であることは忘れてはいけません。攻防に優れた兵器ではありません。

でも、歩兵を守りながら機動することのできる、大切な車両です。


任務の強度に応じて、その在り方を変えることができます。

兵站部隊から、前線の兵士の脚として、攻勢をかける機甲部隊の補助として。全て対応可能です。


軍隊の戦闘レベルを底上げできる存在として、これからも活躍し続けるでしょう。



しかし……バスティオンがすでに要塞の意味を持つのに、その上でフォートレス(要塞)ってつけるのセンスとしてどうなんですかね……。

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