破滅が呼んでいる
書くことがなぐさめになるのなら
読むことがなぐさめになるのなら
僕らの生に条件なんてないのだろう
ただ生きるためだけに
ただ生きることだけに
心を使っている
他に理由なんてないんだ
何を欲しがるのも
何を嫌がるのも
結局はぼくらの生
あぁ なぜ人は死ぬのだろう
なぜ死んでいく人を見るとぼくらは
恐怖とともに ある種の納得や 美しさを見てしまうのだろう
どうしてもぼくらは 人が死ぬことを どうしようもなく正しいことだとわかっている
人は死ななくてはならない いつかは必ず そうでなくてはならない
ぼくらはまだ存在していないものを存在させようとする欲望と同じくらい
すでに存在しているものを消し去りたいという欲望を持っている
創造性と対になる……破滅性とでもいえばいいのだろうか
ぼくらは壊したいんじゃない 穢したいんじゃない
消し去りたいんだ 忘れたいんだ
破滅させたい 泥の中に沈めてしまいたい
何もなかったことにしたいんだ
自分の存在も 愛する存在も 憎い存在も
全部全部 なかったことにしてしまいたい欲求がある
ぼくらは殺されたいんじゃない 消し去られたいんだ
誰にも認識されず 記憶されず
本当に まったく 存在しなかった存在として
存在ですらない存在として
そんな矛盾した何かになりたいと思ってしまうのだ
痛くて苦しいから 何もない生に
痛みに
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