虚無感
たくさんの大好きな断片を作ることならできる。
でも大きな集合体を構成させるのは、組み上げるのは、骨が折れる。
なんだかうまくいく気がしないのだ。
うまくいったとしても、それが単に自己満足になってしまうのではないかと思って不安になる。でも誰かのためにと、作り始めても、できるのはガラクタ。受け取ってもらえるのは気持ちだけ。
僕は相手の精神的なレベルを考えていない。自分を基準に考えている。
僕は考え方を変えた。他の人を知るということは、他の人が何を大切にしているか知るということもである。それを知るということは……自分もまた、その人と同じものを大切にする気持ちを持つということでもある。
共通点を知るのではなく、共通点を作ること。それでいて、その努力を相手には求めないこと。
でもそのような不公平さの先にあるものがよいものだとはどうしても思えなかった。それは僕自身の幸せにつながらないどころか、その人自身にとっての幸せにもつながらない。
大半の人は、何が自分にとって幸せなことなのかわかっていない。
僕も、自分にとって何が幸せかわからなくて、たくさんのことを試し、たくさんの失敗を積み重ねた。それでもまだわからないところがたくさんあるのだ。人が日々に満足するために必要な条件はそう簡単なものではないし、直感的に感じたものに従って追い求めているだけでは満たされはしないのだ。
幸せであるためには知恵が必要だと思った。知識や知能ではなく、知恵が。
幸せであると言い切れない僕にはおそらく、知恵が足りないのであろう。
薄っぺらなコミュニケーションだって たいていは何かの役に立っている
私は役に立った先のものを見ている その現実は気持ちいいだろうか
あるのは空しさばかり 十年以上 空しいとばかりつぶやいている
何をやってもうまくいかなかった うまくいかせようとしなかった
うまくいったところから目を背けた どうでもいいと感じてしまった
誰かが自分を愛してくれたことも 誰かが自分を評価してくれたことも
自分とは別の誰かがそこに立っているように見えた
愛されたくて 評価されたくて そういう自分を演じているうちに仮面は固着して
仮面の下のどろどろの素顔はずっと泣いていた 涙を流せない仮面は嬉しそうに笑っている
それが「普通」であるということ 普通であることは幸せであるということではなかったのだ
それは我慢 それは苦痛 それは浪費 それは妄想
普通であることが幸せなのではなくて 幸せであるからすべてが普通になるのだ
異常 奇妙 そう呼ばれているものもまた 幸せな人間にしてみれば 普通のことなのだ 幸せとはそういうことなのだ
きっとそれも勘違いなのだろう
嫌いなんだ 嫌いなんだ なんべん言っても「僕」はわからない 私は嫌いなんだ 大嫌いなんだ 関わりたくないんだ 愛せないんだ 認められないんだ 呑み込めないんだ
私は嫌いなんだ 大嫌いなんだ 許せないんだ 愛せないんだ
「僕」を許してくれ
許された君は痛みが足りなくて退屈にあえぐだろうに それもまた罰として機能してしまうだろうに
生きるということがどういうことなのかわからなくなったんだ 死んだような目で日々を惰性で過ごしている僕は 自分が生きているのか死んでいるのかわからなくなったんだ
何もかもがくだらなくてつまらないものに見える 他の人もそうであってほしいと思う反面 そうであったとしたらなんてつまらない世界だろうと思う 幼少のころの素晴らしき幸せな日々をも穢してしまいそうで そうであってほしくないとも思う
苦しみや痛みから逃げ出した先にあるのは 奇妙な無感覚 空しさと無力感 子供っぽさを失った哀れな大人もどき
人生はもっとよきものであったはずなのに どうしてこんな風になってしまったのだろうか?
何度もこの人生を繰り返すのだろうか? この社会を
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