第22話 浮気調査する保健室!!



 あたし生徒会長!!藍髪先生がパソコンの前で笑ったり涙ぐんだりしています!

 まさかとは思いますが浮気かもしれません!!!!



 ー 保健室 ー

 

 「おーい赤髪ィ~、生きてるかぁ~」扉ガラッ

 「被告人藍髪先生を終身刑にします!!!!」ハンマーガンガン

 「待て!!ちょっと魔がさして赤髪君用のひざ掛けの香りを堪能しただけだ!」

 「先生!余罪が増えましたね!!!

 それはそうと保険室だよりプリントを作らずに

 チャットしている時間が多いです!!!内容は見てませんが!!」指さしー

 「い、一応赤髪君にもプライバシーの概念あったのか。

 相手は私の元患者だ。医者を目指しているとさ」


 「医者の?試験が難しいと聞きましたが?」

 「正規雇用されれば公務員だから、今の時代ならベターな選択だ。

 彼女も友達を作れず悩んでいた。元々体が丈夫じゃないし」

 「なんだ!浮気じゃなかったんですね!!!」

 「そりゃ私の好みはちっちゃ・・・・あっ」マジヤバい!!

 「ロリコン罪も追加です!!!!罪状全部乗せ!!!」

 「大丈夫だ!赤髪君も好きだぞ。あははははは」

 「浮気大将軍!!!!」


 「まあ冗談はこれぐらいにして、彼女は合格目指し日夜勉強の日々だ」

 「なんでそんな死地に送り込むんですか!!!

 破滅願望でもあるんですか!!」

 「当人の希望だ。勿論止めはしたがな。私のように誰かを救いたいんだと」

 「でも先生は精神病んでるじゃないですか!!」

 「まあな。自分のメンタルを犠牲に患者を救う。

 正確にはクレーマー対応が原因だが」

 「手術を失敗したとかですか?」

 「細かいところでは縫合跡が目立つとか、検査入院が長いなんて物から、

 手術したのにリハビリが想像以上に苦痛だったり、

 闘病生活に嫌気がさして自ら命を絶つ患者もいたからな」

 「先生はベストを尽くしたはずです!!!なのに悲しすぎます!」

 「そういうものだ。医者だってメンタルケアが必要な時代だ」


 いけませんね!藍髪先生がシリアスモードに入っています!!

 この保険室では暗いの禁止です!!


 「気分を変えましょう!その子はどんな子だったんですか?」

 「個人の特定は避けるが喘息持ちだ。

 遺伝子こねくり回して子供を作る機械がある世界でも

 軽度な病気持ちは生まれてしまう。

 ましてや新種のウイルス騒ぎだ。咳をするだけで忌み嫌われる」

 「先生が治療したなら安心ですね!!」

 「ああ、後天的遺伝子治療で何とかした。

 流石に埃っぽいとこはダメだが日常生活なら送れたはずだ」

 「ハッピーエンドですね!!!」

 「親からのクレームは凄かったけどな。

 ”惑星トップの医者が聞いて呆れる!完全に治ってないじゃないか!”ってな」

 「流石に全てを求めすぎです!!!」

 「そういうなって。その両親は医者を神か何かと勘違いしてたんだ。

 彼女本人が喜んでたから私はそれでいい」


 「なるほど!先生に救われたから、

 自分も医者を目指したいと!!」手でポン

 「そうだと思いたいな」目反らしー

 「何か裏がありそうですね!白状してください!!」

 「いや、小児科医になればちっちゃい子と関われるって言ったら

 勝手に燃え上がっちゃって」たはは

 「ロリコンが伝染してます!!!!」悪です!!

 「趣味じゃなきゃやってられないって。

 流石の私も子供の血には興奮しないし」

 「したら異常ですよ!!!」

 「興奮の前に心配になるからな。医者モードが発動してしまうのさ」



 「なら常時医者でいてください!!」

 「そうしたら今の保健室の雰囲気が壊れてしまう。

 心のよりどころではなく、ただ君を学園に復帰させるだけの場所にな」

 「先生が本気出すとどうなるんです?」

 「両親の弱み握って面談。教師の弱み握って面談。生徒と面談」

 「面談しすぎです!!!」

 「ただの面談じゃないぞ?

 人の悩みを解決させることができるなら、逆のこともできる。

 ”赫の煽動者あかのせんどうしゃである君の攻め方も種さえ割れれば

 私も同じことができる。無論君が私に付きまとう理由も分かっている」

 「・・・・面談で解決できるものじゃありませんよ?」

 「だから君が話してくれるのを待つ。そのまま卒業してもいいし、

 大人になって酒でも交わしながらでも構わない」


 「そこまで分かっていて何故知らないふりを?」

 「これは当人の問題だ。もうこの世界を繰り返しループしてるんだろ?

 君の時は止まったまま。そして私の記憶も蓄積されている。

 ”君が私に飽きるか、私が説得できるかの勝負だ!”」

 「・・・・あたしは負けませんよ?先生は近いうちに命を落とします!!

 妹さんたちと一緒に!!!」

 「あはははは!君には私の今後が分かるのだろう?

 私の妹は友達ができたのかい?」

 「それは秘密にしておきます!!!けれど幸せそうでした!!」

 

 突然泣きじゃくる藍髪先生!やはり余命宣告はダメでしたか!!


 

 ー 10分後 ー


 「もう大丈夫だ。何よりあの妹に友達ができるとはな。

 現状の科学力を用い最高の人類を作った結果、

 孤立したあの子と並び立つ人材が!」

 「そこまでは言ってませんよ!!」

 「君は”妹さん達と一緒に”と言ったんだ。

 ”家族”ではなくな。しかも楽しそうとまで分かれば十分だ」


 「先生は妹さんとあたし!どっちが好きなんですか!!!」

 「どちらもだ!私達の最後を知っているということは

 赤髪君はその後も生きているんだろ?なら君に全てを託すまで!

 納得のいく答えを君が出して見知らぬ誰かを救ってくれ!!!」

 

 全部信じています!藍髪先生少しは疑ってください!!

 残念ながらあたしも無事ではなくリハビリ中なんですけどね!




 「先生の元患者さんはあたしと違って凄いですね!

 明日みらいに進んでいて!」

 「赤髪君が焦ることはない。ここは保健室だからな!

 いつか旅立つ日を信じているぞ!あはははは!」


 ”私”が”あたし”に戻るために開発した人類鑑定装置リーガル・オピニオン

 人生2週目を再現し、欲を出した人間を閉じ込める。

 装置を脱出した無欲な人類のみで理想郷を作る計画。

 倫理観がないと思われるがこれも限られた惑星の資源を有効利用するため。

 先生、私はあたしを再現できていますか?

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