第21話 夜道を歩く保健室!!


 あたし生徒会長!!藍髪先生は自己主張の激しい胸の癖にウエストが細いです!

 遺伝もそうですが、裏で努力しているんです!!


 ー 保健室 ー


 「おーい赤髪ィ、生きてるかぁー?」扉開けー

 「う、うえぇーい」片手あげ

 「し、死にかけてる!!!」


 先生のようなくびれのあるウエスト目指して食事量を減らしたのが原因です!

 お腹が減って力が出ません!!!


 「あー、食事制限じゃなくて運動してるぞ?1日1時間ほど歩いてる」

 「当然把握しています!!ストーカー用ドローンに不可能はありません!!」

 「無駄にハイテク!」

 「先生は夜19時に屋敷を出て20時には帰ってきます!」

 「そうだ。被害届を出しに行こう」

 「ヤンデレ活動鎮圧に国家権力を挟むのは卑怯です!!

 旅行のノリであたしの楽しみを奪わないでください!!」


 「直接ストーカーすればいいんじゃないか?

 赤髪君と会話しながらのほうが絶対楽しいぞ?」

 「ストーカー中はアンパンと牛乳を食べてますから!!」

 「刑事かよ!!!」


 この組み合わせは神聖なる儀式です!!


 「で、学園裏サイトにもこの映像は流れているんだろ?

 今日は”夜道の散歩気持ちよすぎだろ!”をお送りしよう」

 「藍髪先生!!この動画は百合物ですから!!

 流行に何でも乗ればいいと思ったら大間違いです!!!!!!!!!」

 「あー、君も知ってて安心したよ。世俗に興味がないと思ってたから」

 「ね、ネット上の悪を裁くための情報収集ですよー」棒読みー

 

 ふぅ。何とか”ごまかし確定”出来ました!!



 「夜の散歩の時間だが20時までに帰れるルートだ。

 洗濯機回して21時までに騒音が終わるようにな、近所迷惑だからさ」

 「でも夜に一人とか危なくないですか?

 万が一不審者に襲われでもしたら大変です!!」

 「あははは、ジャージ姿のやつが金持ちとは思わないだろ?

 それにセカンド財布は電子マネーと少しの金額しか入れてないし」

 「行先は近所の薬局ですよね!!」

 「家事はメイド君に任せているがミスもあるからな。

 ネギや牛乳とか、特例で卵が安い日は私も買いに行くし」

 「意外と庶民派!!悪役令嬢なのに!!」

 「君が勝手に悪役認定してるだけじゃないか。

 美味しい料理の為なら買い物ぐらいはする。

 下手に責任問題にせず、フォローし合うのが結婚後の長続きのコツさ」


 先生カッコ良すぎじゃないですか!!!


 「夜の散歩にはライトは必須だぞ?私のお勧めはUSB給電できるやつだ」

 「ライトって”十天紗”でもないのに?」

 「ええと、誤字ってるけどなんかカッコいいのでオールオーケーだ!

 ”自転車”のライトは義務だが歩行者の罰則は聞いたことがないな。

 それでも使用するのは安全を確保するためだ。

 正直夜とか黒服の歩行者見えずらいし」


 「先生!歩行者は交通弱者です!事故したら自転車乗りが悪いです!」

 「その通りだ。けれど痛い思いをするのは歩行者側。

 後ろから来られたら対処遅れるし」

 「自己防衛ってことですか?」

 「そういう事。競技用自転車ロードバイクなら平地で27km以上は出る。

 大体原付と同じ速度だ。当たったら痛いじゃすまないだろうな」

 「そんなに速度出るんですか!!」

 「ああ、高いやつだと足回りコンポーネントだけで10万超えるからな。

 上澄みは40万オーバーだったか。

 某自転車アニメが流行ったときに手を出したからな」

 「女の子同士がイチャイチャする放送ですから空気読んでくださいね?」

 「・・・・・・」眼反らし

 「先生ェ!!!!!!!!!!!!」


 先生は登りクライマーが主人公のアニメを見ていたようです!!!


 「自転車が好きなら遠出すればいいじゃないですか!!

 距離漕げば痩せるはずです!!!」

 「うーんにゃ。昔と今の決定的な違いがある。それが分かるかい?」

 「ウイルス騒ぎで遠方へ行きづらくなったとか?」

 「正解だ。距離40kmぐらいならちょうどいい負荷なんだが、

 他県への移動は推奨できるものじゃないからな。

 だったら同じ時間をかけて歩いたほうがいい。

 自転車よりも徒歩のほうがダイエット向きだ」

 「40kmって結構な距離ですよ?」

 「平坦だからな。登りは自転車の負荷になるから降りて押すし」

 「アニメみたいに左右に揺らすダンシングしないんですか?」

 「却下だ。疲れるし部品に負荷がかかるから」

 「疲れたOLみたいな返答はやめてください!」


 年齢非公開ですけど先生は先生です!憧れでいてください!!!


 「自転車狂いだったからこそ歩行者のライトは合ったほうがいい。

 今は自転車保険の更新が面倒だし、廃棄したが第2の青春と言っていいほど

 燃え上がってた。

 だからこそ私はライトをつけて歩く。事故を起こさせる気なんてないしな」

 「自転車に未練はないんですか?」

 「ないといえば噓にはなるな。けれど乗り物なんて

 人の命を殺める可能性がある。車だろうがバイクだろうがな。

 なら室内用自転車マシンエアロバイクで十分だ。

 ダイエット目的なのに刑務所に入るリスクがあるなんて嫌だろ?」


 「もしかしてヘタレですか!!!!」

 「ああ!!!今までうまく行ってたが明日事故が起きない保証はない!

 通勤以外でそんな覚悟を背負うメリットは皆無だ!!」

 「救いがないぐらいに逃げの人生ですね!!!」

 「まあ私1人の人生じゃないし。妹がいて、メイド君がいて、

 勿論赤髪君も大事だ。背負うものができると消極的になっちまうのさ」

 「大人って悲しい生き物なんですね!!!」

 「そうでもないぞ?自分の責任で何でも設定できるし。

 例えば散歩のコースみたいにな」


 散歩、散歩・・・・。そういえば!!!!


 「最近夜に小学校の周りを徘徊する不審者がいるから警戒しろと

 他の先生方から警告受けました!先生ではないですよね?」

 「な、なんのことだろうな~」眼反らし

 「先生が自転車から降りた理由って!!!」

 「ああああ!!今日の放送終わろうか!あははははははは!!!」


 先生は性欲に負けて第2の青春を捨てたようです!!!

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