目標があればモチベ上がるよね
遠い遠い昔、世界に亀裂が走った。世界各地の場所でその亀裂が現れ、そこから魔物と呼ばれる化け物達があふれ出てきた。
魔物は都市を破壊して周り、道行く人々を殺して回った。
銃や爆弾は効かず。とある小国では核ミサイルを用いて、人口の4割を犠牲に魔物を倒した。
軍もろくに機能しなくなり、人類の終わりかと思われたその時。
人類は、魔力に目覚めた。
魔力目覚めた人類は、その力を使って魔物の撃退に成功する。
そして、人々は魔物退治に尽力した人々を魔法士と呼び始めた。
*******
俺が目覚めてから数日が経った。
医者にももう問題はないと言われ、1日安静にした後に退院した。
今は家に帰っている途中だ。
街を見渡すと、この前の
こういった壊れている街を見ると、この前の記憶が蘇る。
そういえば、助けてくれた人、制服着てたな。
確か、あの制服は
「つか鷹仙って、滅茶苦茶有名な学校じゃねぇか」
国立鷹仙学園。中高一貫の学園で、偏差値も高く優秀な魔法士を数多くがそこの卒業生だと言われている。
「もう一度、あの人に会いたいな」
あの時助けて貰えた感謝も出来てないし、何より──
「あんな死にかけだったのに、一目惚れって半端ないな」
彼女を見た瞬間、痛みを忘れる程の衝撃が走った。体の震えは止まり、一瞬呼吸を忘れて彼女に見惚れていた。
「行くか、鷹仙」
何故かは知らないけど、そうしなければいけない気がする。
そうと決まれば、やることは一つ、特訓だ。
とは言ったものの、特訓って、何をすればいいんだろうか。
「まずは基礎的な身体能力を鍛え上げるところか?そんで、その次は魔力の扱い方を極める…そもそも魔力ってどう鍛えるんだ?」
頭を悩ませながら歩いていると、ある考えが浮かんだ。
「そうか、魔力で身体強化しつつ動けばどっちも鍛えられるのでは?」
思い立ったが吉日。俺は目を閉じ集中する。身体全体に魔力を回し、身体能力を底上げする。
「うし、行くか!」
グッと足に力を込めて、地面を蹴る。一瞬で数メートル先に走りつき、どんどんスピードを上げていく。
「うおっ、早ぇ!?」
一瞬で近くにいた夫婦を追い越し、驚きの表情をしているのを横目に今度は足腰に身体強化を集中させてスピードを上げていく。
そのまま走ること訳2時間程で家に着いた。
「はぁ、はぁ、はぁ…俺、魔力少なすぎないか?な、なんとか家に着いたけど、魔力がすっからかんだ。ふぅ、とりあえずシャワーだ、うん」
額から落ちてくる汗を拭いながら、家の鍵を開けて中に入る。俺の家は
俺は早歩きで自分の部屋に入って適当な服を取って風呂場に向かった。
*******
「流石に3週間以上過ぎてたら
どのニュース番組も既に話題になっておらず、政治家の脱税やら芸能人の不倫疑惑などの話をしていた。
TVの電源を落としてソファーに寝転がる。
「受験まであと一年と少し、それまでに合格できる程の実力を身に着けないとな」
だとすると、鍛錬のほかに実戦経験を積まないといけない。
「実戦経験積むなら、行くか、ダンジョン」
しかし、今日は疲れたし魔力もほとんど残ってないので明日にしよう。幸い、明日は日曜で休みだから。
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