第28話
「……ッ!?」
「……え」
「ア、アークぅぅぅぅぅぅぅぅうううううううううううううううううううううッ!」
スー姉は僕の登場に驚愕し、リーナは僕を見て呆然と立ち尽くす。
そんな中、スーシアだけは僕へと殺気を込めた叫び声を上げて睨みつけてくる。
「お前がッ!お前がこれをやったのかァッ!!!」
「そりゃね……そうに決まっているじゃないか」
僕はスーシアの言葉に対して何を今更というような素振りで口を開く。
「き、き、貴様ッ!何をしているのか!それを意味しているのが何なのかッ!わかっているのかァ!?」
「当たり前でしょ……だって、僕は人類の裏切り者だよ?そんな僕に今更何を言っているの?」
「……うぐっ」
僕の言葉を受け、スーシアが言葉を詰まらせる。
「……これは、やっぱりあなたのせいなのね」
「うん。そうだよ。スー姉……あぁ、これはもう用済みだから消しておくよ」
僕は指をパチンと鳴らし、不死者どもを全員消す。
既に必要な人間の量は揃っている……あとは、仕上げをするだけである。
「……た、助かった」
「ふぅー」
不死者たちと戦っていた兵士たちは安堵の息を漏らし……そして、僕とリーナたちが相まみえる場所からそそくさと逃げていく。
「魔王様は。魔王様はどこだ?」
そんな中、四天王統括である男……名前はなんだっけか?が僕にロキの所在を尋ねてくる。
「あぁ……魔王は殺したよ?邪魔だったからね」
ちなみロキは生きている。
でも、殺したってことにしておいて欲しいって言われてから殺したってことにしておく。
「は……?」
僕の言葉に尋ねてきた四天王統括だけでなく、この場にいた全員が固まる。
「既に用済みだったからね……要らない子はさようなら、なんだよ?くくく……」
「か、彼女を殺したのか……?」
ありえないと言ったような表情を浮かべているスー姉が僕に向かってそう告げる。
「もちろん。既に彼女は僕の目的に必要なくなったのでね」
「……お前の、目的は一体……」
「ラインハルト家なら当然答えは一つだろう?不老不死……完全なる死霊魔法の完成だよッ!」
「……なんで……そこに行き着くの!?」
「お前にはわからないし、知る必要もないさ。どうせ僕が完成させるのだからッ!」
僕は両手を掲げ、笑みを浮かべる。
「ここで、我が目的は最終へと至るッ!さぁ、全てを終わらせようかッ!」
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