第22話

 更地となった魔王城で。

 最上位の人と魔がぶつかり合う。


「くくく……なんだァ!この程度なのかッ!噂の公爵家の女当主とやらはッ!!!」

 

「うっ……」

 

 人間たちが各々四天王や幹部とぶつかり合う中、本来であればリーナ


「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 リーナにとって、アークはすべてと言っても良かった。

 彼女が彼に恋をした。

 その理由なんてもう覚えていない……リーナは物心ついた頃からアークが隣にいて、彼を好きになっていた。

 物心ついてからずっとアークを愛し続け、追いかけていた。

 だが、アークは敵である魔族の味方となった。自分のすべてであったアークがま↑属の味方に……であるのならば、リーナは……何故人類の味方として戦っているのだろうか?


「……ぐっ」

 

 リーナには迷いがあった。

 自分が何のために戦っているのか。


「ハァッ!!!」


「ヌルいッ!」


「……貴方だって、ね?」

 

 本来の実力であれば簡単に倒せるような相手を前に苦戦し続けるリーナ。


「……」

 

 剣が混じり合い、火花が散り、砂埃が舞う。


「私は……」

 

 いくら剣を交えようとも、決着が着くことがなかった。

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