第15話

「うぇっぷ……くさぁ」


「……うん。僕が元凶ではあるけど同意するよ」 

  

 僕が開放した亡者の群れに飲み込まれた後の街へとやってきた僕とアークは辺りに漂っている激臭に眉をひそめる。 

 亡者たちは全員腐っているので、そんな彼ら、彼女らが通った後の場所とか激臭がすごいのである。


「なんでこんなところに来たんだよ……」


「しょうがないでしょ。僕の不死者は地上のお掃除しか出来ないからね。地下の方は僕がやらなきゃいけないんだよ。別にいたくないのであればさっさと帰ったら?」


「あぁ。なるほどね」

 

 僕の言葉にが納得がいったように頷く。

 

「あっ!私を撒こうとしないで!」

 

 そして、置いていこうとした僕の後を追って足を早める。

 ……別に置いていこうとなんてしてないよ?ただ早歩きしたい気分になっただけだよ?


「元々、裏世界も基本的に僕の配下だったからね。地下に潜っている まぁ……変えているところもあるだろうけど、それは見逃すことにするよ」


「まぁ、うん。それが良いよ……あくまでアークは魔法に必要な死体を集めているだけで人類滅亡を目指しているわけじゃないものね」


「そうだよぉーっとッ!」

 

 僕は地面へと足を踏み降ろし、地盤を陥没させる。

 

「なッ!?」


「えっ……?何……?」


「何奴ッ!?」


「あ、アーク殿ォ!?」

 

 驚愕するもの、困惑するもの、警戒するもの、僕を知るもの。

 数多くの人が潜伏している地下へと降りてきた僕は腰にぶら下げている刀を抜き、構える。


「こんにちわー。そして、さようなら」

 

 多くの犯罪へと手を染め、欲望を満たしてきた男たちの鮮血が地面へと染み渡っていった……。


「うわぁ……容赦な。マジの皆殺しじゃん」


「それ、魔王のセリフじゃなくない?ほら。どんどん回っていくよ」


「はーい」

 

 僕とロキは共に飛行魔法を発動し、次なる地下拠点に向かって行動を開始した」

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