第7話
アークの裏切りを受け、緊急で開かれている帝王会議。
会議は踊る、されど進まず。
そう評されるウィーン会議であるが、踊れているだけまだマシである……一ヶ間近く開かれているのにも関わらず、踊るどころかほとんど誰も喋っていない。
沈黙が一ヶ月間続いている。
アークの代わりにラインハルト公爵家当主となったスーシア・フォン・ラインハルトは沈黙を保ち続け、皇帝も沈黙を保っている。
他の貴族家はどうすれば良いかわからず右往左往し、日夜送られてくる部下からの悲鳴に右往左往することしか出来ない。
戦場に立ち、戦っているリーナとスーシアは欠席。
公爵家当主二人欠席、公爵家当主と皇帝陛下は沈黙、他家の当主は右往左往。
何の生産性もない帝王会議。
響くのは何度も入ってくるのは領地より上がってくる悲鳴を届けるべく当主の元へと向かう使用人の扉の開閉音のみ。
「……」
「……」
永遠と続く無言の会議。
「で、伝令ッ!!!」
その沈黙を破るように慌てたように会議室へと入ってくる男が一人。
「魔族による大規模攻勢を確認ッ!至急応援を求むとのことですッ!!!」
「緊急事態のようだ。対処のため、私はここで退場させてもらう」
一人、勝手に立ち上がって会議室から出ていくラインハルト公爵家現当主を全員が無言で見送る。
この場にいる全員がラインハルト公爵家に手を出す勇気はなかった……当主が一人抜けただけで人類を未曾有の危機に晒すことになるのだ。
世界中パニックの中でも何の問題も起きていないラインハルト公爵領を支配するラインハルト公爵家をすべてを相手に回した時、何が起こるのかを試してみようとする勇者はこの場にはいなかった。
あとがき
やっべぇ。名前、スーシア被っているやん。初めて気付いたわ……今更どうしようもねぇ。テヘペロ。
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