第6話
アーク・フォン・ラインハルト。
魔導帝国テュフォンにおいて、最大の影響力を持つラインハルト公爵家の当主が裏切ったという事件は帝国内に衝撃を与えた……あまりにも大きすぎる。
彼が一体どこまで手を広げていたかわかる者は誰もおらず、どこまで影響があったのかをすべて知ることも難しい。
ラインハルト公爵家をどうするか、処罰するのか、しないのか……そもそも処罰出来るのか。
処罰したら内乱となり、魔族との戦いに致命的な影響が出るんじゃないか。
そんな心配でラインハルト公爵家への対応に帝国が悩んでいる間に、何故か世界中の商会がバタバタと倒産して失業者が溢れかえり、誰もシステムを細部まで理解出来ていなかった金融が崩壊し、そしてそのまま世界経済が崩壊。
紙幣はただの紙切れとなり、民衆は今日の食べ物を手に入れることすら難しい。
多くの商会が潰れたせいで輸出入や製造、販売に多大なる影響が入り、混乱。
食料を輸入することの出来なくなった食料自給率の低い国では既に餓死者が大量に出てしまっている。
裏社会の動きが活発化し、町中でドンパチやり合う組織まで出てくる始末。
あと、いつの間にか世界中に広がっていた麻薬の製造と販売が何故か行われなくなり、禁断症状で暴れる民衆が多数確認。治安崩壊。
そして、止めと言わんばかりに何故か金貨はどこの国もほとんど在庫がなく、裏社会でばかり金貨の存在が確認出来る。
たった一人の少年が居なくなっただけで世界のシステムが崩壊。
人類社会は今、未曾有の危機に晒されていた。
■■■■■
「あれ?待って?なにこれ……こんなえげつないことになるなんて僕は思ってなかったんだけど?というか、スー姉は何しているの?あの人ならもうちょっと混乱抑えられたよね?あっ、あれか。僕の後をついで世界の混乱を鎮められそうな可能性のある人たち全員が僕と少なからず関わりあるから自分が処罰されないよう、世界を混乱のど真ん中に落としているのかな?みんなもうちょっと人類のために頑張ろうよ。僕の言えた義理じゃないけどさぁ」
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