第11話
「す、すみませんでしたぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ」
まさに詰みと言えるような状況。
そんな中でリュークとその取り巻きたちが選んだ方法は単純。
全力逃亡であった……まぁ、この場にいて彼らが出来るのは全力で謝罪することだけ。
僕のような公爵家の人間が自分たちを害するためにわざわざ手間をかけるはずがないと神に祈り、逃亡するというのも一つの手段としてはありだろう。
実際、僕は彼らに何もするつもりもないし。
「さて、と……」
僕が平民ではなく公爵家の人間であるということをスーシアの前で明かしてみせた。
「わ、私を騙していたの……?」
スーシアが震える声で僕とリーナ嬢に対してそう尋ねてきた……僕とリーナ嬢がスーシアを騙していたことに彼女があまり良い気分になっていなかったのは誰がどう見ても明らかだった。
僕が彼女の方を見れば……スーシアの瞳に映るのは絶望と敵対心。
明確な拒絶の色を彼女は僕とリーナ嬢に見せていた。
「あっ!も、申し訳ありません!公爵家の御二方に失礼な発言をしてしまい!」
そして、スーシアは慌てて僕とリーナ嬢に向かって深々と頭を下げて、平伏する。
「「……」」
僕とリーナ嬢は無言のまま互いに視線を送り、頷き合う。
リーナ嬢にも色々聞きたいことがある。
だが、それよりも優先しなければならないことがあるだろう。
「「うん」」
僕とリーナ嬢は互いに頷き合い、方針を決定する。
今、学園に通う公爵家の一族たる二人の意見が一つに合わさった。
「ふふふ……なぁにちょっとお話しようか」
「えぇ。そうですね。ちょっとだけスーシアちゃんとはお話する必要があると私も思っていたところなんです」
僕とリーナ嬢は共に笑顔を浮かべ、彼女の方へと近づいていく。
「ひぇ!?キャァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
僕とリーア嬢はスーシアを担ぎ上げ、上級貴族にだけ与えられている学園の個室へと向かって移動を開始した。
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