第3話

「んっ……」

 

 今世で得た僕の優秀な肉体が有する体内時計は完璧。

 起きたい時間ピッタリに起きる


「……んっ。マリア」

 

 広いベッドで眠る僕……そんな僕の隣には裸姿のマリアが気持ちよさそうに眠っている。


「〜〜〜ッ!」

 

 僕は改めて昨日のことを思い出し、頬を赤らめる。

 ……そ、そっか。僕ってば童貞を卒業したのか……。


「……かわいい」

 

 僕はボソリと呟き、昨日散々近づけあったマリアの顔を優しく撫でる。


「んっ……」

 

「あっ」

 

 その行為がマリアを起こしてしまったのか、マリアが身動ぎし……そのままゆっくりと目を開く。


「おはよう。マリア」


「あっ……おはようございます。アーク様」

 

 目が覚めたマリアは慌てて起き上がり、僕へと頭を下げる。


「すみません……私の方が起きるの遅くて……ほ、本当なら


「気にする必要など無いよ。僕の体内時計は完璧……それはマリアも知っているでしょ?」


「そ、そうですが……」


「己の愛人たる女に僕はそこまで厳しくするつもりはないよ。全然気にしなくて良いとも……女性はその、なんだ。痛い、のだろうか?」


「……あ。いえ、その私は大丈夫ですよ。アーク様が優しくしてくださったので」


「それならば良いのだが……それでは僕は仕事に行ってくるとしよう。マリアはここで温んでいても構わないよ」


「……そのあ、アーク様」


「ん?」

 

 僕はマリアに呼び止められ、動きを止める。


「そ、その……良いんでしょう、か?」


「ん?何が?」


 マリアが僕の方へと少し、近づいてくる。


「……勃っているけど」


 マリアは僕の下半身へと手をやり、耳元でボソリと呟いた。


「〜〜〜ッ!」


 朝からもう一戦することになった。

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