第2話

 投稿時間ミスって、昨日上げたりなんかしていないよ?



 僕が父上とユーラス兄上を殺し、ラインハルト公爵家当主になるのにさしたる苦労もなかった。


 ラインハルト公爵家の当主である父上が死霊魔法の研究していたことも問題ではあるのだが……そこまで大きな問題ではない。


 この世界における平民の命の価値は限りなく低い。

 僕の父上が死霊魔法の研究のため、千を超える平民の命を無駄にしていたとしても、それを気にする王侯貴族は少ない。 

 平民にも気にかける人だって当然いるが、そういう人たちは何をしてでも権力の座に居座ろうとする人たちに向けて権力の座から遠ざかっているような人なので気にしなくてオッケ!

 

 一応死霊魔法は研究が禁止されているので、それをしていたことに対する避難の目なんかもあり、王様に呼びつけられたりもしたが……『あー、うん。流石に死霊魔法の研究をしているのは……おや?その金色は?お?自分に……?うーん、もう解決しているしお咎めなし!』にっこり笑顔。

 こんな感じで普通にラインハルト公爵家当主が死霊魔法についての研究をしていたことはスルーされた。


「なるほど……もしや、あなたは死霊魔法という禁忌の下法に手を染めた父上と兄上の協力者、と?」


「いえいえ!そんな滅相もございません!」


「それならばよかった……いくら父上と言えど、単独であれほどの平民を集めて実験を行うなんて難しいはずです。父上に協力した商会がいると僕は考えているのです。同じ身内の者として、この研究の後始末はしっかりとしなきゃいけないと思っているのです。あなたは父上に協力してそうな商会に心当たりありませんか?それ相応の対応をしなければならないと思っているんですけど……」


「い、いえ……パッと思いつかないですね」


「そうですか……それは残念です。では、これからもラインハルト公爵家と仲良く行きましょうね?」


「は、はい……もちろんにございます」


 僕が父上を殺して当主の座を奪い取った結果、面倒になったことを強いて上げるのであれば、父上の味方であった商会を僕の下につかせること。

 でも、そういう商会には『父上と共に死霊魔法を研究していた罪』で叩き潰すよ?と脅しつければ大体従ってくれるので、そこまでの苦労ではない。


「それではごきげんよう」

 

 僕はリーサ商会の商会長さんに笑みを向けた後、立ち上がって応接室から退出した。

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