第21話
「ん……」
僕の得意とする時空間魔法……それはあまりにも使い手が少ないので魔法は自分で考え、考案する他ない。
「無理、なのかなぁ……」
今、僕が作ろうとしている魔法は自分で作った別空間を現実の空間と重ね合わせる魔法。
これが出来れば僕の戦術である自分の異空間の出入り口から様々なものを飛ばすの他に何故かいきなり炎が出現した!みたいなことが出来るというのに……。
「……えっと」
僕が諦め悪く、何度も自身の魔力を練りながら試行錯誤していく。
それからしばらく。
「アーク様。進捗の程はいかがでしょうか?」
「ん……ぼちぼち」
魔法の開発を行っていた僕の元に昼食を持ったマリーナがやってくる。
「取っ掛かりは掴めていそうなんだけど……それ以上がなぁ。いただきます」
僕はマリーナが持ってきてくれた
「そうなんですか……いただきます」
昼食へと手をつけ始めた僕を見てマリーナも食事を始める。
「ところでいつ混沌竜を倒しに行きますか?」
「あー。そうか……そういえばそんな話から始まっていたね。魔法づくりに夢中でそんなん忘れてたわ」
「……アーク様?」
僕の言葉を聞いたマリーナがこちらへとジト目を向けてくる。
「んー。まずは相手がどれくらい強いのかを知らなきゃ始まらないし、とりあえず戦いに行ってみる?」
「……そうですね。私たちも一応既に世界有数の実力者ではありますし、案外行けるかもしれません」
「じゃあ、今作っている僕の魔法が完成したら戦いに行こうか」
「はい。そうしましょう」
マリーナは僕の言葉に頷き、笑みを浮かべた。
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