第20話
マリーナは音もなく大地を蹴り、僕の方へと迫ってくる……それに対し、僕は時空間魔法を発動させる。
絶対零度の如き低温が保たれている時空間魔法で繋がっている異空間の出入り口より大量の短剣を出し、それをレールガンの要領で打ち出していく。
「『燃え果てよ』」
マリーナが魔法を発動させ、僕の飛ばした短剣をいとも容易くドロドロに溶かしていく。
「せんや!」
僕のすぐ目の前へとやってきたマリーナの振るう豪剣を前に僕は時空間魔法を発動させる。
「ほい」
僕の景色が一瞬にして変貌する。
実に簡易的な転移……それが僕の発動した時空間魔法である。
僕のすぐ下にある短剣を抜き、背後を晒しているマリーナへと投げつける。
「ぶっ飛べ」
僕の異空間より出現し、轟音を上げながら駆け抜けるのは重さにして10トンに到達しそうな程の巨大な鉄球。
圧倒的な物量がマリーナへと迫り……。
「えい」
それがマリーナの拳にぶつかり、呆気なく鉄球が敗北する。
「ハァッ!」
簡単に破壊された鉄球の残骸より僕は姿を表し、手に持っている刀をマリーナへと振り下ろす。
「良い手だと思いますよ」
さも当たり前のように僕の不意打ちを受け止め、お褒めの言葉を告げるマリーナ。
「バレていますよ?」
転移によって背後へと回った僕の刀を足蹴りで防ぎ、僕の蹴りも腕一つで防がれる。
「ふー」
僕は息を吐きながら雷魔法をメインにしながらマリーナと斬り結ぶ。
「グッ……」
素のステータスも、魔法の力も負けている僕はマリーナとの戦いでどんどん劣勢へと傾けられていく。
「あー。もう無理やな」
僕は動きを止め、地面へとへたり込む。
魔力のほとんどを使い切っているし、体力も限界……やばいな。僕、全然体力ないや。
「はぁ……はぁ……お疲れさまでした。アーク様」
あっさりと息を整えたマリーナは僕に労いの言葉を告げる。
「付き合ってくれてありがとね……おかげで助かったよ」
「いえ。アーク様のためなら私は何だって致しますよ」
「ふふふ。ありがとね」
僕はそう言ってくれるマリーナへと感謝の言葉を告げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます