第13話
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!」
父上のいる執務室から自室へと戻ってきた僕は床に手をつき、頭を天へと掲げて叫びながら体を大きく震わせる。
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください、アーク様!?どうなされたのですか!?なんでそんな意味の分からない恰好で叫んでおられるのですか!?」
「……世界に絶望して」
叫ぶのをやめてスクッと立ち上がった僕はマリーナの問いに答える。
「て、テンションの緩急についていけません」
「ふっ……これくらいの奇行でもやってないとやっていられないよ。クソ親父がァ……」
僕に難題を押し付けすぎである。
もう少しは自分の他の兄弟、姉妹に激重課題を課したらどうだろうか?
「今回はどんな無理難題を押し付けられたんですか……?どんな無理難題を押し付けられたとしてもアーク様なら大丈夫だと思いますけどね!私は。実際にアーク様は不可能だと思われた商会の立て直しに成功したんですから」
マリーナは僕への信頼フルマックスの笑顔でそう告げる。
「今回の無理難題はね。南の方にいる混沌竜を倒すことだよ」
「……」
僕の一言に愛すべきマリーナの笑顔は石のように固まった。
「どう思う?」
「え、えっとですね……」
マリーナは僕の疑問の声を聞いて体を震わせながらおずおずと口を開く。
「わ、私はアーク様なら問題なく出来ると思いますよ……?」
「本当にそう思っている?」
「……」
僕の言葉に対してマリーナはそっと視線を逸らした。
「やっぱりマリーナもダメだと思っているじゃんッ!!!」
「そ、そんなことありません!アーク様に不可能なんてありません!そ、そうです!ちょっと待っていてください!私が修行に必要な道具を今から持ってきますから!必ず二人で混沌竜を倒せるようになりましょうね!」
マリーナはそう言って僕の自室から出ていった。
……え?出ていくの早くない?
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