まず読者に重要なことを伝えておく。作品情報をろくに読まない俺と同じ過ちをしては駄目だ!! じゃあ、言うぜ! それは……
「アレックスは女!」
ということだ。
俺みたいなファンタジー好きな君は、アレックスとロズが、やがて恋に落ちていく冒険ラブロマンスだと思ったに違いない。うっかりさんめ。
「大間違い!!」と言いたいが、ある意味、君は正解だ……。
恋に落ちていくような描写はびんびん感じるが、それは君の思うものとは違った愛の形かもしれない。
もちろん魔物と戦うシーンはあるのだが、俺はそれよりもロズ×アレックスなのか、アレックス×ロズなのか気になって、それどころじゃなかったぜ。
さくさく読める文章と柔らかな描写はとても素敵だ。
ただ、ある意味、読む人を選ぶ作品だと思う。
大好物の人は熟読し、世界観に浸ってくれ。
小学校高学年の時に図書室で出会っていたら、きっと入り浸って黙々と読んでいたでしょうし、大人になっても記憶に残っただろうと思います。
主人公に特別な力があるわけではない、けれどしっかり主人公。そこに好感が持てます。
指輪物語なんかもそうですが、それまで普通に暮らしていたのに事件に巻き込まれ、初めは戸惑うこともあるけれど、自分の意志で前へ進んでいく主人公の姿は、読者を感情移入させ、その世界へと惹きこむ強い力を持っています。
そしてそれはもちろん作者様の技術があってこそ成り立ちます。
やりすぎない情景描写、戦闘時のスピード感、メリハリのある展開……上手い!
あと、これは個人的に刺さったのですが、寝台列車好きさんにもおすすめしたいです(笑)
私は列車が大好きなので、「ずっと乗ってて!」と思いました(笑)
『魔法』『冒険』『友情』『謎』『寝台列車』
ファンタジーの醍醐味を詰め込んだ、わくわくの塊みたいな作品です。
どうぞお楽しみください!