第十八話 ダラットの過去

「三年前に死んだ…?ってどういうことですか?」

「そのままの意味だ。あの人は三年前、俺のせいで死んだんだ。」


あれは三年前のこと…

ブレイブさんは俺の先輩でな。いい人だったんだ。実力もあるし、明るくて皆に慕われてた。あの人にあこがれて冒険者を始めたってやつもいたぐらいだ。

俺もそのころ実力がなくて、荒んでてなあ。そんな時、声をかけてくれたのがブレイブさんだったんだ。

第一印象は最悪だった。酒場で飲んだくれていて、何をしてもうまくいかなくて何かに八つ当たりしたい気持ちで…そこへ現れたのがブレイブさんだ。

むしゃくしゃしていた俺は、ブレイブさんが成功している冒険者だと知ると、口汚く罵った。


「俺みたいな奴に構うなよ!気持ち悪いんだよ!人助けでもしてろよ偽善者が!」


その時、俺は殴られるか、殺されるか…少なくとも無事で済むとは思っていなかった。ましてや肯定されるなんて思ってもみなかった。


「そう、俺は偽善者だ。だが、偽善であって何が悪い?何もやらないことが善なのか?それだったら偽善であっても何か行動を起こすべきだと思う。案外楽しいぞ?

どうだ、だまされたと思って一つお前も偽善者になってみないか?」

「あんた…変人だな。」

「ははっ。よく言われるよ。」


そこから俺は少し前向きな気持ちになれた。なんというか、変われるキッカケってものが欲しかったのか…今となってはよくわからないがとりあえず確実なことは、あの人のおかげで俺は変わることが出来たんだ。

そして気持ちの整理がついた俺は、服装や身なりを整えて、冒険者ギルドの扉をたたき、ブレイブさんにお礼を言いに行くと、一目で俺だと見抜いてくれた上に、パーティーに誘ってくれた。

そこからの日々は楽しかったなあ。本当に。

毎日冒険の日々。未知の発見や戦闘の繰り返し。時にはダンジョンにいってお宝を見つけ大喜びし、ある時は罠にかかって大変な目にあったりと毎日何かがあって、充実していた。

パーティーを汲んでいると色恋沙汰もあってな。ブレイブさんは実はガーネットっていう僧侶と結婚したんだ。良片思いの二人をほかのパーティーメンバーでイベントをセッティングして頑張ってくっつけたりしていたのはいい思い出だ…


だが、幸せというのは長くは続かないものだ。


あれはある曇りの日――――


俺たちパーティーは、近場の墓地の調査を依頼されていた。

いつもと比べても簡単な仕事だ、何も起こらないだろうし、せめて花を手向けようと用意してきたぐらいだった。


「定期クエストは低収入なのになんで受けたんですか?」

「ばーか。俺たちがやらないと誰もやらないだろうが。最初に行っただろ。冒険者たるもの偽善者たれ。こういうのを率先してやるほど、後の評価につながってくるし、自分に返ってくるもんだ。」

「なるほど。」

「ブレイブ~この荷物何?」

「それは雑巾と聖水だ。全部に花を手向けるよりは、拭いて回ったほうが嬉しいだろ。」

「そうだけど…まああんたらしいというか。」

「ほら、着いたぞ。」


その墓は何かいつもと違っていた。空気が妙に重たいというか…まあ気のせいだろうと思い、中に入ると幽霊はほとんどいなかった。

そしてお前のようにみんなで手分けして墓石を拭いていると…

なぜか霧が出てきた。引き上げようと思うと、あっという間に視界が真っ白になって、味方の視認が困難になってきた。

それでも何とか全員集まると、墓地を出ようと決め、出口に向かったのだが…


「いつまでたっても出口に憑かない?」

「なんですって?」

「どういうことですか?」

「ガーネット、ちょっとここの霧を風魔法で動かしてみてくれないか?」

「いいけど…『僧侶ガーネットの名において願い奉る。風の聖霊よ、対価を糧に顕現せよ!』

あれ…霧が動かない?なんで?」

「魔法だ。でもそんな高位モンスターなんてここにはいないはず…」


すると、俺のへそのあたりがヒュッっとなる感じがして、体が持ち上がった。


「うわああああああああ」

「ダラット!どうした?」


ブレイブさんが声をかけてくれるが姿が見えない。しかし、次の瞬間、一気に霧が晴れ、敵が姿を現した。


リッチ死霊の王だと…。災害レベルじゃないか。こんなのが出たらレグルスは終わりだぞ!」

「待ってろ、今助ける!」


そういってブレイブさんはリッチを攻撃し、怯ませる。立地は俺を話した。


「俺が隙を作るから頼んだぞ!」


そういってブレイブさんはリッチに向かっていった。加勢しようと思ったが、力が足りず悔し涙を流した。俺はそんな中ゾンビと相対して、交戦した。

でもゾンビもリッチもこの墓場にはいないはずなのに。その日は異常だった。

そして俺たちは命からがら敗走してこの街に逃げ帰り、応援を読んだが、そこには何もいなかった。


あの時俺に力があったなら…あの人一人だけなら逃げられたんだ。

ブレイブさんは…俺が殺したんだ…



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

昨日友人に借りた任天堂switchで、影廊っていうホラーゲームやったんですよ。でもswitchまじで操作がわかんなくて。最後は滝つぼへの落下ダメージとかいう謎の死を遂げて疲れて止めました。

これから二月までの間に一章終わらせたいですな。短くてすみませんでした。

評価やフォロー、感想、誤字脱字のご指摘などがあると大変ありがたいです。

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