第九話 人は見た目によらない。

俺たちはクエストと解体を終えると、町のほうまで戻ってきた。

陽太はギルドに向かっているそうだ。俺は道がわからないのでそれについていくしかない。

ギルドというのは討伐依頼を出したり、魔物の素材を受け取って換金してくれるところらしい。なので魔石をそこに持ってゆくとお金がもらえるそうだ。

この世界での通貨は、価値は低いが現金に変換できるので、トッププレイヤーなんかはそれと配信などで生計を立てているそうだ。


そんな説明を受けていると、あっという間にギルドに着いた。

とりあえず扉を開け、見えた景色は…


「すごいけど思っていたのと違う。」


そう、そこに広がっていたのは体育館のような景色。

床は木でつやつやしていて、壁は少し古めのセメントのような感じだ。

確かに、効率を追い求めた建物は体育館にになるのか?よくわからない。

カウンターは4つ。左3つは人のよさそうな女性で、一番右にある一つは怖そうな顔をした男性だ。

その男性の片目は切り傷があり、歴戦の猛者って感じがする。

女性に話しかけるのはNPCであってもハードルが高いし、混んでいたので、一番右の男性に話しかけることにする。


「すみません、魔石の換金を頼みたいんですけど…」

「…おう、このカウンターに乗せな。」


男性は徐に机を指さしいう。

めっちゃ低い声だ。マフィア映画とかのボスみたいな。話しかける人間違えた気がする。とりあえず言われた通り魔石をカウンターに乗せる。


「ふうむ。状態が少し悪いな。」

「すみません…」


怒られた…やっぱ怖いわこの人


「だが保存法に気を使うともっと価値が上がるぞ。

おそらくこれは麻の袋に入れて持ってきただろ。お前ら異邦人は持ち運びの謎技術があるだろ。だからそれに入れて持ってくるといい。」

「そんなこと教えていいんですか…?」

「せっかく仕事をするならよりいいものを。それが俺の信条だ。」

「だが、無理はいかん。自分の身の丈に合った仕事をしろ。そうせずに死んだ奴を何人も見てきた。」


ええ…めっちゃいい人やん。

これからもこの人に頼むことにしよう。


「全部で銀貨一枚だ。次も頑張れよ。」

「はい!」


俺は陽太のところへ戻っていった。そして換金できたことを伝える。


「おお、換金できたか。それで、誰のところ行ったんだ?」

「誰のところって決まってるだろ。受付の人だよ。俺は右から三番目のアンちゃんが好みなんだけど…」

「ああ、一番右の人のとこ行ったよ。名前聞きそびれたな。」


そういえば名前を聞いていないことに気づく。今度会ったときは聞いておこう。


「お前、ダラットのとこ行ったのか!?」

「ダラットっていうんだ、あの人。」

「試しに行ってみたプレイヤーがいたけど、睨まれてそのまま帰ったって話だぞ。かくいう俺も話しかける勇気はない。」

「まあ、怖いのぐらいなら慣れてるし、全然怖くなかったよ。むしろすごいいい人だったな。今度陽太も一緒に行こう。」


ホラー画像とかのほうがよっぽど怖いし、急に出てくるわけでもないからな。


「まじか?うん。気が向いたらな…」

「ほんと!?じゃあ次のクエスト終わったら行こうか。」

「お前はなんでそういうとこだけ鈍感系主人公なんだ…」


鈍感系主人公だって?失敬な。僕は難聴なんて発症してない…よな?


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一日遅れのメリークリスマス!どうも!ゆるとうかです。

昨日は運動6時間、ゲーム3時間、勉強2時間というスケジュールでした。

パートナーがいなくたってリアルが充実してればリア充なんです。

クリスマスなのであやかってラブコメを書いていましたが普通にヤバいものが出来上がったので投稿はやめました。

クリスマスプレゼントに評価やフォロー、感想、誤字脱字のご指摘などがあると大変ありがたいです。作者のモチベーションがアップします。

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