第三話 職務質問?

目覚めたら、白い世界だった。

トラックに轢かれていない。異世界には行っていない。

俺の名前は鞍馬恐介。自宅なう。OK,記憶の欠落もなし。

だったらここはVRの待機画面だ。(この間約0.5秒)


「初めまして。私このゲームのチュートリアルガイドをしているAIでございます。」


現れたのは…光る立方体だった。

それにしても流暢な発音だ。最近のAIはここまで進化しているのか。


「お褒めにあずかり光栄でございます。私は実際の声優さんが話してくれた言葉をラーニング、もしくはコピーして喋っております。なのでよくされる質問などはコピーされた音声なので流暢に返すことが出来るんですよ。」


あれ?俺今喋ってなくない?


「私はあなたの精神とリンクしていますので、しゃべらなくてもわかりますよ」


なるほど、サトリみたいなものか。それとも僕に憑いているのか。

なんでも妖怪で例えようとするのは悪い癖だな。


「まあどっちでもいいのですが。とりあえずあなたの名前を入力してください。」

「じゃあ、自分の名前から一文字取ってきょうで。」


こんな変な名前は被ることがないだろう。そう思いながらニックネームを入力する。

音声入力でも思った感じが出てくるのはすごいな。やはりリンクしているからかスムーズだ。


「それでは次に職業を決めたいと思います。次に聞かれる質問に正直にお答えください。」


Q1.あなたの苦手なものは?

ふむ、これは何だろうな。基本的にはないが。強いて言うのなら人混みか。

人の多いのは苦手だ。


Q2.あなたの好きなものは?

ホラーだな。考えるべくもない。


Q3.あなたの好きな食べ物は?

ラーメンとシュークリームだ。


Q4.休日にやることは?

ホラー映画などの聖地巡礼だな。あとよく読書をしている。


Q5.好きな女子のタイプは?

ふむふむ。待て、これ必要あるのか?

「必要ないです。怒りましたか?」

「いや別に。」

「了解です。」(なるほど、性格は温厚なかんじですか)




■■■

その後も質問が続いてゆき、ついに最終問題になった。


QFinal.人を殺したいと思ったことはありますか?

ないな。正当防衛以外の場合、殺人はほとんど悪というのが俺の持論だ。


「なるほど。以上で適性検査を終了します。」


それでは結果を発表します。

あなたにぴったりの職業はーーーーーー



「ネクロマンサー」です。


おお、最高じゃないか。ネクロマンサーってあれだろ。

死体やゴーストを操ることが出来る職業。

陽太から聞いた話だとこのゲームには300を超える職業があって、それぞれが天職を選んでもらえるらしい。

ネクロマンサーとはまさにホラゲ大好きな俺にぴったりな職業だ。


「このネクロマンサーというのは、危険な思想を持つ人には慣れないようになっているんですよ。あなたは厳正な審査の結果この能力で大量殺人などを侵さないという判定が出ましたので、贈呈します。」


おお、いつの間にかAIに認められていた。AIであっても誰かに認められるのはうれしいものだな。


「それでは、次は種族とアバターの設定に参ります。」


まだあるのか、設定。

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三話目です。

AIの声優は誰なのか…作者も分かっておりません。

職質と言えば、戦場ヶ原さんにあこがれた友人がカッター、ハサミ、ホチキス、コンパスとかを常に持ち歩いてるんですが、いまだに職質かかってないんです。

おかしいって。

ちなみに私はカッターだけです。(感覚麻痺)

まだまだ続きますので是非ご期待ください。評価やブクマ、感想、誤字脱字のご指摘などがあると大変ありがたいです。それではまた次の話または別の話でお会いできることを願っております。

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