第二話 開封式

※これから主人公視点になります。


日曜日。僕が部屋で気分転換に掃除をしていると、「ピンポーン♪」と軽快な音が鳴る。


「ふう、届いたか。」

そう呟きながら、俺はドアを開ける。

すると重そうな荷物を抱えた運送会社の人が立っていた。


「あ、すみません。そこに置いて下さい。」


あわてて荷物を降ろしてもらった俺は「鞍馬」と書かれた大きな印影を押す。

そういえばハンコと印鑑って別物だったなあと考えつつ、荷物を持ち上げる。


「重っ」


重そうだとは思っていたけれど、まさかこれほどとは…

コメ袋の二倍ぐらいだから10キロ以上あるだろこれ。

よく運んできてくれたなあ。


「本当にありがとうございます。」


俺は再度礼を言って箱を自分の部屋に持って行った。

先ほどまで掃除をしていたので、部屋には物があふれかえっている。


「まずは掃除の続きからだな。」


そういえば、俺の部屋には変なものが多い。

髑髏(レプリカ)はもちろんだし、ホラゲーがうず高く積まれている。

他にも怪しいお守りや、変なお面、古そうな壺。

あとはアルバムだな。心霊写真が写らないかと撮りまくった写真が多い。

邪魔なのは盛塩だ。いつもひっかけて倒しそうになる。


「ふう、こんなとこか。」


ある程度きれいになったのではないだろうか。

ちゃんと床が見えるし。棚から手がはみ出しているが気にしないでおく。


「さあ、開封だ。」


どんな姿をしているのかとワクワクしながら、中身を傷つけないようにカッターで慎重に封を開けてゆく。

そしてプチプチに入った中から出てきたのは…

VRゴーグルだった。

おおーめっちゃ近代的。これがあれば三次元でホラーを体感できる。

ていうかVRゲームだったんだ。初耳。

昨日帰ったら母さんがゲーム買っといたわよって言っててびっくりした。

そして今。内容も全く知らずに届いているわけだ。

他には説明書とソフトが一つ入っていて、パッケージにはanother world online と書いてある。


「それにしても…すごいな。」


重厚そうな見た目だが、気に追う美を追求したようなシンプルで洗練されたデザイン。

白と黒でデザインされたそれは、俺の中二心をくすぐる。


「まずは説明書を読もう。」


ちょっとした教科書ほどの分厚さのある説明書を読みこんでゆく。

ふむふむ。まずは電源を入れてニックネームを登録。

質問に答えて職業を決めてチュートリアルを始める。

ざっくりこんな流れのようだ。


「始める前に陽太に連絡しておくか。」


LIMEを開き、陽太に「今届いた」と連絡する。

すると一瞬で返事が返ってきて、

「了解。始まりの村向かうから、ログインして待っててくれ。

連絡はゴーグルとスマホをつなげばLIMEをあっち側でできるから。それとトイレは先に行っておけ。」


と書いてあった。めっちゃ便利だな。ゴーグル。

母さんには6時ぐらいにログアウトするからと言い、諸々の準備を済ませて、説明書の通りゴーグルをつけて布団に寝た。


「ヴゥゥゥゥン」

と重たい稼働音がして、俺の意識は白い世界に飛ばされた。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

第二話のくせに四話目。よくわかんなくなってきます。

ゲームのネーミングセンスが死亡しています。

感想などで良い名前募集しています。ツイッターやってないので(ネット脆弱民)

主人公視点と第三者視点、どちらがいいのかよくわかりません。

たぶん気分で変わります。

まだまだ続きますので是非ご期待ください。評価やブクマ、感想、誤字脱字のご指摘などがあると大変ありがたいです。それではまた次の話または別の話でお会いできることを願っております。

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