『ざ、すぱい』 下の6
ぼくは、両脇と後ろをがっちり固められ、前を先導されながら、彼らの動かないご先祖さまの横を、頭を押し下げられながら通過し、さらに、洞窟の奥に向かった。
まさか、エレベーターがあるとは思ってはいなかったが、まさしく、これは、秘密組織の地下基地そのものである。
けして、大きくはないエレベーターで、5人乗ると満杯というくらいである。
『凄い、エレベーターだ。』
ぼくが言った。
『黙りましょう。』
黒マスクの一人が、がつんと、丁寧に、たしなめた。
が、それは、非常にスムーズに降りる。
高級デパートのエレベーターみたいである。
こいつは、おそらく、この村唯一のエレベーターだろう。
超小型検知器が、ちいさく、ぶるっと、震えて、黙ってしまった。
地上の超低軌道衛星との通信が途切れたのである。
まあ、仕方がないが、本部も地下に潜っているのは、解ったはずである。
随分と、深く降りているに違いない。
🟨
こんなもの、どうやって、作ったのだろうか。
扉が開いてみれば、そこは、異世界であった。
しかも、そこには、山西さんが待っていた。
これは、別に降りる道があることを示している。
🚶♂️
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