『ざ、すぱい』 中の11


 スマホがまた、地震速報を報じているが、間に合いかねたことからも、震源地はかなり近くて、実際にそれは、高い山を越えた、お隣の県だった。


 ガイドの影山さんは、『あとかたして、鍵して帰りますから。今日は、良くおいでくださいました。この村には、しばらくご滞在ですかな?』


 と、機嫌良くおっしゃるが、なんで、しばらくご滞在と見抜いたのだろう。そこまでは、言った覚えもない。


 『じつは、この地域に関する、新しい本を書くために、材料集めをする旅なんです。』


 『お〰️〰️、それは、素晴らしい。出来上がったら、買わせていただきますよ。』


 『ありがとうございます。まあ、まだまだ、かかりそうですが。』


 ところが、住宅が並んでる真ん中あたりで、煙が上がって来ているから、いやがおうでも気になった。


 『ああ、さっきの、陥没ですな。まあ、たまには起こります。この地区ではね。しかし、ご心配はありません。対策済みですから。』


 『はあ、いや、ありがとうございました、では、また、いずれ。』


 雰囲気的に、とりあえず、引き上げないとまずそうな雰囲気だったから、ぼくは、道路の窪地に止めていた、すでに25万キロは走った、わが流星5号に乗って、とりあえず、村の中心部に向かった。


 すると、すぐにパトカーと、小さな消防車に、すれ違ったのである。



          🚙

 

 我が町の情報員とは、きちんと連絡が取れているが、まだ、落ち合うような約束にはなっていない。


 とてつもなく広大な面積を持つが、人口は2千人に足りないくらいの村だ。


 全員が知り合いみたいなものであり、日常と違う情報は、まるで光の速度くらいに素早く村中に伝わる。


 ぼくは、その恐るべき力に、間もなくぶつかることになったのだ。


        💪   💪


 

 


 


 

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