『ざ、すぱい』 中の5
役場の担当者さまのご尽力により、克子先生とのアポは、翌日の2時と決まった。
夕方は、生徒たちが遊びに来るから、忙しいのだそうだ。
なるほど、『遊びに来るから』というのは、確かにあの先生らしい。
勉強↔️遊び、である、というのが、先生の信条だったように思うからである。
そこに、戦争を混ぜてはならぬ。
そのようなことをおっしゃっていたと覚えている。
その玉子浦先生が、核弾頭の開発に関わるとは、とても、思えないのだが。
しかし、もともと、町長のひらめき自体が突拍子もない話であり、ほとんど、オカルト世界のようなものだから、そこは、考慮しておくべきだろう。
ならば、それに合わせてここに来ている自分は何なのか?
まあ、それは、悩まない方が無難と言うべきなのだろう。
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うまい具合に、例の古書の閲覧も、明日10時から許可された。
それで、今日は、時間ができたのである。
実は、東村には、もうひとつ、観光資源がある。
『身震洞穴』である。
これは、古い火山が作った、溶岩の通り道で、年間通じて、内部の気温は15℃。
しかし、身震いするほど、気持ち悪い、という評判だったらしい。
なんと、噴火口の跡も、いまだに残っているらしい。
一度見学したかったが、事前に申し込んでガイドさんに来ていただいて鍵を開けていただく必要がある。
今回は、それも、うまく都合がついたのだ。
こういう風に、うまく行くときは、ふと、落とし穴が空いていたりするものである。
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