12
新東京───行政区───中央省庁合同ビル15階。
カナは広瀬所長の後に続いて高層階行きの高速エレベーターに乗り込む。
───早く、閉まって!
振り返ると警備員に静止された向こう側で、報道機関の腕章を付けた記者たちからカメラを一斉に向けられた。
普段しない大人びたメイクをがんばった=おそらくカメラの前に出るであろう、という対策。
思わぬところからの指摘/総務の林さん=マスカラを付けすぎですよ。
慌てて修正=時間ギリギリ/バタバタと走って本社から迎えに来た
エレベーターの扉が閉まる/15階から80階の第14会議室へ向けてぐんぐんと上昇する/900メートル、120階もある合同ビル=最新式の高速エレベータでも最上階まで行くなら数分かかるらしい。
「緊張しているのか?」
眠そうな声/落ち着いたチューバのような低音ボイスの中年オヤジ=広瀬所長/仕事と週末のゴルフが生きがいの元官僚/旧東京潰瘍監視基地の所長。
「別に。この程度なんてことはありません」
エレベーターの階数表示が忙しく切り替わる/今日の審議会専用運行=途中停車なし。
「ほう、思ったより肝が座っているんだな。さすが魔導士」
「うっ、どうも」
バレてる=広瀬所長と目を合わせづらい/左腕で浮いている乳白色の腕輪=
「俺ぁ、この程度の会議、日常茶飯事だったからな。ボンクラ議員共のバカな質問のために深夜まで残業して椅子で仮眠して朝イチで会議だった」
「所長、たしか
「
「はぁ……」
「こう見えて魔導には一応見識があるつもりだ。復旧した国会図書館で資料を読み漁った。で、佐藤主任は政治に興味は?」
「なくはないですが、私は科学者なのであまり」
佐藤主任=カナの言葉尻がだんだんとすぼんでいく。
「今の首相の名前は?」
「それくらいならもちろん」
「漢字でフルネームをかける? 手書きで」
言葉に詰まる/手書きなんてする必要ないじゃん! 名字は知ってるし名前も/たぶん合っている。
カナのそんな横顔を見て、広瀬所長はニタニタ笑った。
「さあ、すぐ会議場につく。少しは緊張はほぐせたか」
カナ=わかりにくい中年オヤジの配慮に眉を細めた。
「佐藤主任、この会議なんだが結果次第で来年度の常磐の、魔導関連事業の趨勢が決まる」
「えっ?」
難しい言葉の羅列/ちょっとわかったこと=今ままでどおり好き勝手できなくなる。
「つまり、そんなしょぼくれた顔をするんじゃない。会議は決闘だ。相手方の議員団に甘く見られたらその時点で終わりだ」
エレベーターのドアが開いた/広々としたホール&受付ロボットが座っているカウンター&初霜を踏みしめたときのような赤い絨毯。
議員たちが秘書を連れ立って歩く/その流れに乗って広瀬所長と無言で歩いた。
第14会議室はコの字に会議テーブルが並び、真っ白なテーブルクロスがだらりとかけてあった/各政党、省庁、企業代表それぞれの氏名がプリントされたネームプレートまで整然と並んでいる=見た目を飾るのも昔からの伝統なのだろうか。
広瀬所長がテーブル席に/カナは所長の右後ろに座り社章入のタブレットで資料を開陳した。席は8割ほどが埋まっている/開会までもうすぐ。
面倒くさい=どうして私が政治駆け引きなんて場所に出てるのだろう。ウズウズする=来週の
「ところで──」広瀬所長は半身をねじってカナを見た「──佐藤主任、この審議会の目的はわかっているだろうな」
「来年度の魔導災害対策について有識者から意見を聞くのでしょう?」
「それは表向きだ。魔導エネルギー政策は例のごとく複雑だが、国際情勢についてはこの前の横浜港での一件があったから身に沁みてわかっただろうが、国内も政治的に安定していない」
そんなこと知らないし=私はエンジニアであり科学者/人の欲にまみれた政治なんて興味ない。
「いいか、反対側のテーブルを見てみろ」広瀬所長にしてはめずらしく嫌味じゃないチューバのような低音ボイスだった。「あそこに座っているのが防衛省と警察庁、消防庁だ。とくに国家の“暴力装置”たる自衛隊と警察は民間企業である常磐が武力を持っていることに気に食わない」
「暴力装置? ってジャイアンみたいな」
「抑止力という意味だからどちらかといえばドラえもんの秘密道具だ」
広瀬所長=頭の回転が早かった。
「でだ。特に防衛省の特別参考人として招かれているのが
「ええ、まあ。でも私の印象だと催事の度に集まって宴会しているくらいで。あとは
「
「ええ、聞いてはいます」=さっぱりわからない。「でも今さら常磐の武装解除なんてできないでしょう。日本だけの話じゃないです。カリフォルニア潰瘍も管理は常磐が担っています。現地の州政府とも関係は良好です」
「ほう、よく知ってるじゃないか───」
あちらの国では戦後 余った兵器類を
「───ま、そもそも多数の
「それは困ります」=理解できた/今さら就活なんてしたくない。
「ハハ、そうだろうそうだろう」
「でも、常磐がやってきたこと、防衛省や警察では手に負えないはずです。自衛隊ってそう簡単に動かせないですよね」
「よく勉強したな。今の制度は
「──今度の予算委員会にそのまま出すんだろうが、野党の防衛族議員は、怪異は敵性国家でもテログループでもないから現場判断で武器使用ができると法解釈を曲げている。口八丁手八丁、ってやつだ。それに防衛関連産業への天下りを目論む官僚もずいぶんと協力しているみたいだが」
「じゃあ、所長も天下りだったんですか」
「はっ、はっ、俺はただ人手不足だからって雇われているだけだ。専門はエネルギー政策。お門違いもいいところだし給料も下がっている」
「じゃあ、なぜ?」
「かっこいいじゃないか。一企業が世界を救うんだ。小役人の頃よりも働きがいがある。給料は、もう少し良くなれば問題ない」
意外/ちゃんとしている=自治体との交渉事はすべて所長に丸投げしていたが/意外と責任感がある。
名前だけどこかで聞いたことがある議員が議長に/ゆるりとした挨拶の後で会議が始まった。
各省庁/団体/常磐の代表が順繰りに話す=それにあわせて自動筆記機がカリカリと音を立てる/今どき紙で議事録を保存するなんて。
1時間ほどしてやっと広瀬所長の順番が回ってきた。マイクが渡され低いチューバのような低音ボイスで今年度の主だった怪異との戦闘、予算、人員の規模などを淀みなく陳述/左後ろではカナが数字に間違いがないか一緒に資料を目で追った。
「以上です。何か質問は?」
広瀬所長が資料から目を上げた/カナもつられて会議場を見渡した/複数の座席から手が挙がる=そのうちのひとつを議長が指名した。
「陸自、第1師団の田村です」=制服をピシッと着こなした初老/しかし屈強な体の男がマイクを受け取った。「一企業である常磐が今後も戦っていけるかどうか、隊員の練度、士気についてお伺いしたい」
第1師団/
「ご質問ありがとうございます」しかし眠気を誘う声で広瀬所長が応えた。「うちの保安部の隊員の大半はそちらの組織から移ってきた人員です。練度を疑われるならすなわち陸自の練度を疑うという意味ですが、よろしいですかな。それに国内外の将官クラスを雇い入れ、訓練と実務を計画的に行っております。今年度は人員の損耗が多かったですが、人事部からは来年度の就職希望者が多数いると、報告をもらっています。もちろんそちらの組織からの人員もいるでしょうな」
いくら非公開の審議会とはいえ/角が立ちそうな応答/会議場の囁きがざわめきに変わる=議長の制止。
続いて野党議員席から手が上がった。
「常磐興業の資料を見ましたが、なんとまあ、まるで軍隊ですなこれは。戦闘用の人員が5000人、武器兵器の保有数は───」
「質問は何でしょう、簡潔にお願いします」
広瀬所長の冷淡な横やりが入る=さっき言っていたボンクラ議員というやつか。
「ともかく! 常磐興業が武力を保持することは
広瀬所長=ちらりと議長席を見やる/やや呆れ気味に、
「企業は法律に基づいて行動します。“憲法違反”などという素人じみた事は言わないでいただきたい。選挙のための
会議場のざわめきがどよめきに変わった/野党議員席の何人かが立ち上がり声を荒らげている。
「所長、つまり?」
カナが身をかがめてなるべく小声で訊いた。
「憲法は法律の法律だ。
「そう、でしたっけ」
中学校で覚えたこと=120種類の元素の周期表/今は121種類。
「まあとにかく、役人仕事はああいうボンクラ議員の相手ばかりしなきゃならん。嫌になるだろう。魔導災害で大抵のベテラン議員が逝っちまったからでああいう素人議員が増えたんだ」
「常磐に来たの、もしかして所長自身の意思だったり?」
しかし広瀬所長は肩をすぼめるだけだった。
議場のどよめきが収まるのに数分を要した/何人かの議員は離席したまま帰ってこない。
議長が再度 質問者を呼びかけた/しかし広瀬所長の歯に衣着せぬ物言いに相対するテーブル席は静まり返ったままだった。
しかしカナが座る位置から真正面で、すっと手が上がった/その左腕で乳白色の腕輪が魔導で浮遊している。
「どうぞ、
議長に指名されて、淑やかな初老の女性が立ち上がった/左腕の白い円環は
「みなさま、お初にお目にかかります。新渡戸でございます──」
丁寧な一礼=これまでの議員/官僚とは違う低い物腰/丁寧さと知的さを醸し出す挨拶だった。
「──防衛省をそして寺社連合を代表して、常磐の魔導士にご質問させていただきます」
さすがに広瀬所長も怪訝な顔をしている/半身をひねってカナの方を振り返った。
「今日
「わ、私が答えるんですか」
「ああ。あまり不用意なことを言うんじゃないぞ。わからない時、答えにくいときは“検討します”でいいからな」
新渡戸補佐官は静かな歌うような口調で質問を続けた。
「魔導士の視点から見て、怪異討伐そして潰瘍の消滅と、常磐にその重荷を背負うだけの能力があるでしょうか。もう少し付け加えるなら、人の子が人造の武器を手に怪異に立ち向かうことができるのか、教えてくださいな。安心してください。このやり取りは議事録には
新渡戸補佐官=ニコリ。たちまち自動筆記機のコンセントが弾け飛んで機械仕掛けの速記が止まった/魔導だった。
カナにマイクが回ってきた=受け取った途端、弾けたように立ち上がった。
「わ、私は、常磐興業の佐藤カナです」
「うふふ、座ったままでも結構ですのよ」
周囲の視線が一斉に集まる/しかしカナは立ったまま続けた。
「たしかにおっしゃられた通り、企業である常磐では不安に感じることもあるかもしれません。だから例えば、魔導工学を広く導入した警察、のような組織が必要です。魔導士にとってC型怪異もD型もさほど脅威ではありません。私たちは
「だから魔導を応用した武器を認めろ、と?」新渡戸補佐官は柔らかくもその言葉は鋭かった。「常磐が秘技だった魔導を世に広めた結果、政治、経済、軍事のバランスが崩れました。貧困がなくなり紛争もなくなった、そう言いたげですね? しかし常磐が巨大な力を持つことは国としての統治をもゆらぎかねません」
「わ、私は! 政治とかそういうのはよくわかりません。でも今も潰瘍は東京にあります! 私は毎日アレを見ています。力がなければ怪異に負けてしまいます」
「人の欲とは、際限が無いものです。魔導工学で紛争がなくなった、それは事実です。しかしいずれ魔導の広い応用は人の欲を埋めるために悪用されるでしょう。怪異そっちのけで人同士が魔導兵器で醜く殺し合う時代が訪れます」
会場がどよめく/広瀬所長も眉間にしわを寄せている。
「私は───!」
しかし広瀬所長がカナの肘あたりをつついて首を振った=そのくらいにしておけ。
新渡戸補佐官はしかし、笑みを絶やさなかった。
「魔導というのは良識ある魔導士が連綿と受け継ぐことでゆるやかに、社会を豊かにしていきます。それは企業が利潤のために手を出して良い分野ではありません」
「魔導士個人の良心に任せることのほうが危険です! 常磐の保安隊は魔導士の犯罪者を何人も確保してきたんですよ」
つい言ってしまった/ほとんど脊髄反射/広瀬所長も立ち上がってマイクを奪おうとした/しかしどんなに力を込めても魔導士の手から奪うことは難しかった。
会場もどよめく=
審議会が止まった=予定より早い休憩入り/自動筆記機が壊れたらしい。再開時間は追って知らされるらしい。
「まったく、佐藤主任。寿命が縮んだよ。髪もごっそり抜けた気がする」
「すみません。カツラが必要なら私が払います」
「最後のは冗談だ。緊張をほぐすための」
わかりにくい中年のオヤジギャグ=笑えない。
「すみません、つい言ってしまいました」
「まあ、まあいい。俺も半分は同じこと考えてた。主任の気の強さは織り込み済みだからな」
「わ、私が分からずやみたいに言わないでくださいよ」
「だが、頑固だろう、実際」
「うっ、そんなことは、無いはずです」
「本社からは法務部あたりに呼び出しを食らいそうだが、そういうのを主任は気にしなくて良い。上司の俺の仕事だから」
カナ=黙ったまま言葉を探す/出てくるわけもなく。
「そうだ、佐藤主任。最上階のラウンジのカスタードプリンはなかなか美味いらしい。残りの時間はどのみちつまらない審議会だけだ」
「今は食欲がありません」
「それなら土産だ。買ってきてくれ。男臭い野郎連中は食べないだろうから、30個ほどで足りるだろう。ほら、俺の金で買っていいから」
広瀬所長は財布からクシャクシャな高額紙幣を3枚差し出した/無粋な中年オヤジなりのフォロー。
反論できるわけもなく/カナは人の流れに乗ってエレベーターホールから最上階を目指した。
一般にも開放されている最上階は地上900メートルだけあって新東京/魔導機関で浮遊するメガフロート全域をぐるりと見渡すことができた。家族連れ&国内外の観光客&休憩中の官僚たちがそれぞれのテナントに出入りしたり、雲と同じ高さの景色を楽しんでした。
カナは記者らしき一団を見つけると、さっと社章を手で隠して足早に距離を取った=これ以上の失言はいくら政治音痴でもまずいとわかっていた。
イライラが募る=どこかで魔導のでっかいビームでもぶちまけたい/先週のmagical★girlでホノカちゃんがやってたみたいに山をひとつ吹き飛ばすくらいの=やろうと思えばできなくはない。
展望デッキ=100円硬化を入れるタイプの双眼鏡が並んでいる/わいわいはしゃいでいる家族を後目に、カナは手すりに寄りかかって新東京の景色をぼんやりとみやった。
スーツのポケットにしまわれた、広瀬所長の3万円が重い/電源を切っていたスマホを取り出し再起動=カスタードプリンのお店を探さなきゃ/帰るまで魔導で冷やせば問題ないはず。
「ライン来てる」
宛名=ニシから/ちょっとどきどき/普段は事務的な連絡しかしない/ニシは、わざわざフレンドリーな文面を送ってやっても返信しない=とんでもない筆不精。
短い文面/たった一文=「魔導士の殺し方は?」
「いきなり何よ。ぶっきらぼうすぎるでしょ。文脈が不明だっての。ま、そういうところも好きだけど。そうね “毒殺なんてどう?” うん、これでいい。送信、っと。どんな魔導士でも解毒は無理だからね」
「あらあら、ずいぶんと嬉しそうね。もしかして彼氏さんかしら」
背後から柔和な声=心臓が飛び出てきそうなぐらい驚いた/実際体が垂直方向に飛び上がったかもしれない。
カナの背後=さっきの審議会でやりあった初老の女性が/しかし背筋を真っ直ぐにして立っていた。左腕にカナと同じく白い腕輪がふわふわと浮遊している。
「新渡戸補佐官……」
「あらやだ、フフフ。堅苦しいわね。わたくしのことは新渡戸さんか、新渡戸おばちゃん、でいいのに」
「じゃあ、新渡戸さんで。私は常磐興業の佐藤カナです」
「ええ、もちろん以前から存じ上げていますよ、光の魔導士」妙な二つ名/常磐の会長からもそう呼ばれた。「大分の一ノ瀬神社の子でしょう。
知らなかった=2つ目の家族はごく普通の家庭だった/魔導で多くの人を幸せにしたい=魔導工学を修める道を選んだ。
「あなたはどう思うかしら、この新東京の景色を。あらそういえば東京大学の院生でしたわね。訊くのは野暮だったかしら」
個人情報をしっかり調べられている? カマをかけられている?
「それならご存知でしょうが、私のキャンパスは湘南にあります。それに今どき学校で研究することも少ないので」
「あらあらあら、そうだったんですね。フフフ。わたくしは仕事柄、新東京に住んでいるのよ。緑のない殺風景な人工島だけれど、でもね、慣れてみれば結構住みやすいのよ。たとえば電線や水道がなくて、各家庭に魔導機関で直接 電気や水が生成されるの。もちろん、どれも無料。ヒトが動物を辞めた、決定的な場所よ」
「私は、やや性急すぎると思います。魔導式とはいえメガフロートは日々、縦にも横にも拡大しています。移民や移住の増加に追いつけていません。それに──召喚が得意な魔導士が言うには、魔導で何でもかんでも作っていたらそのうち地球がゴミで溢れかえるとも言っていました。魔導機関は無から有を作り出すからです」
「召喚の魔導士、もしかしてあなたの恋人でしょう? 常磐の資料には男性だと記されていましたが」
思いがけない反応/言葉に詰まる。
「
「あらあらあら、ごめんなさいね。おばちゃんは若い人の恋沙汰を聞くのが楽しいんですよ。偏見、規制、責務……何かと
新渡戸補佐官はカナの横に来て、手すりにもたれかかると水平線の方を見た。
「フフフ、おかしいわね。わたくしたち、さっきと真逆のことを言ってるわね。魔導自体は悪ではないのです。それを使う人間で善悪が決まってしまうの」
「もしかして人間が嫌いなんですか」
「あらあら、わたくしたちも人間なのよ。魔導士は特別優れた人種という優生学はおこがましいだけですの」
「でも、新渡戸……さんの言葉を聞いているとなんだか、魔導をこれ以上使うべきではないと、そう聞こえるんです」
「そうね。間違っていないわ。魔導は宇宙の真理に近づくための高尚な学問なのよ。
「それで、今 常磐が担っている事業を寺社連合が引き継ごうと?」
新渡戸補佐官はゆっくりうなずいた。
「もちろん、体系的な魔導技術の指導も行います。マナの感応者の大半の感応力は無いに等しい“緑”クラスですが適切な指導さえあれば新時代を担う魔導士に成長できるでしょう」
「でも絶対数が足りないでしょう。潰瘍だけで世界に11あります。マナへの感応者は人口の0.01%程度です」
その時=新渡戸補佐官はニヤリと笑った/不気味なまでに確信と自信を持って新東京のメガフロートとその先の水平線を見やった。
「寺社連合にはすでに十分な備えがあるのです」
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