第25話 12月20日 土曜日 C3

 今日は新しく知ることが多い。今は新着メッセージとやらの通知を聞き。ステータス画面を見ているところだ。


「新着メッセージ――新着メッセージ」

「どうした?斗真?」


 俺がつぶやきつつステータス画面を見ていると。文が覗き込んできた。


「いや、通知があってな。文には何も聞こえなかったか?」

「何が?」

「やっぱり俺だけか」


 一応確認ということで、文に尋ねてみたが、通知音などは他人には全く聞こえないらしい。俺はとりあえずステータス画面のところに出ていたメッセージとやらを読んんだ。すると、これはパーティメンバーでの会話ルーム見たいなところだった。


「文。もしかしてパーティメンバーとは連絡が出来るのか?離れていても」

「あー、そういえばそんな機能あったな。うん。あるぞ。使ってるし」

「知っていたなら教えろよ。って―—何で入ってない文が使ってる?」

「あー、いや、説明読んだからな。馬鹿の斗真とは違って俺は完璧に頭に叩き込んであるから」

「——のくせ、裏の町は知らなかったと」

「それはそれ。これはこれだ」

「はぁ。使えん」


 横から覗いてきた文に文句を言いつつ。俺はメッセージを見てみると。まあパーティメンバーの湖奈からだった。


『お待たせしました。今どこですか?斗真先輩』


 どうやら湖奈も銭湯から出てきたらしい。返信は――と俺は思いつつメッセージの下に返信という場所があったので、タップすると入力画面が出てきた。

 俺は『銭湯に向かうよ』と連絡をしてから文と移動すると――。


「あっ。斗真先輩!」

「湖奈もマジで風呂上りみたいだな」


 銭湯の前ではちょっと頬を赤くしたコナが待っていた。ってか、さっぱりしたみたいだ。すごくいい表情をしていた。


「ホント良いお風呂でしたよ。シャワーだけのつもりでしたが。お湯も興味あってちょっと入っちゃいました。すごく気持ち良いお湯でした」

「ゲームなのか。現実なのかマジでわからないな。でも良かったな」

「ホントですね。とりあえずさっぱりしました。じゃあ行きましょう!」


 それから俺達は再度ダンジョンへと向かった。もちろん暑さ寒さ耐性ドリンクを飲んで入ったので、今回は汗だくになることはなかったが……。


「っぎゃああああ。骸骨!!」


 今日は何度もコナの悲鳴を聞くことになった。マグマ地帯は骸骨の場所なのか。スライム、ゴブリンは見当たらず。骸骨のオンパレード。小さいのから大きいのまでたくさんいた。ちなみに骸骨は硬い。そしてゴブリンより強い。骸骨はみんな基本剣を使っていたが。普通に強いというね。

 盾のない俺と湖奈は適度な距離を保ちつつしか攻撃が出来ないので、苦戦だった。離れすぎると攻撃を避けられるからな。

 ちなみに大剣を使う文はバッサバッサと骨を破壊していた。この場所ではあれが正解といった感じだった。どうやらモンスター相手で相性のいい攻撃とか。武器があるらしい。俺もマジックソードがあるが。盾がね。ないとやっぱりなかなか近寄れなかった。1対1なら――だったが。複数が当たり前だったので、基本サンダーボールの連発だった。ファイヤーボールは相性が悪いのか。数回当てないと倒せなかったので、早々にサンダーボールに絞った攻撃をしていた。

 ちなみに湖奈のウインドはここでは、なかなか効果ありだった。倒すことは出来ないのだが、骨をバラバラにすることが出来るらしく。バラバラにすると倒すのがかなり楽だった。湖奈がバラバラにしてくれたら。俺やブンが剣で――という感じになるので効率よく――だったが。なかなか思うように上手くはいかなかった。

 俺と文が攻撃を受けないというのが難しくなってきていたのと。どうしてもダメージを受けると、湖奈頼りといった感じだからだ。回復中は湖奈も攻撃できないからな。本当は俺達がうまく立ち回ればなのだが――さすがに身体能力は急激には上昇しない。

 結局湖奈は攻撃より回復に回ることが多く。まあ苦戦したということだよ。でも。簡単すぎるよりかは良いかといった感じで、俺達はしばらくマグマ地帯の攻略を進めたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る